【世界市場の見通し】世界市場はまちまちの展開か
8/9~8/13の世界市場は、日中は神経質な展開も、米国株は好調な経済を背景に比較的確りか。
日本株は、もみ合いの展開を想定。一部の企業の決算では決算見通し据え置きに投資家が売りで反応する等、期待値が高めになっていることには注意が必要か。ただ日経平均の予想PERは相対的に割安水準にあり、新型コロナ感染拡大はある程度市場は織り込んでいると考えられる。ワクチン接種進展等で風向きが変われば、底入れ感も出てくるものと見る。
米国株は比較的確りとした展開か。デルタ株の感染拡大等が懸念され、一部の経済活動再開関連業種は6月以降調整気味。ただ政府はロックダウンには否定的で、経済活動再開の方向性は変わらないだろう。ISM非製造業指数も7月としては過去最高であったことから、経済活動再開関連が再度物色される可能性もありそうだ。
中国株は神経質な展開を想定。教育やゲームなどに政府が突然打ち出した規制強化は習近平国家主席の8月上旬の北戴河会議に向けた実績作りとの見方があり、引続き突然の規制には警戒が必要。またコロナ感染再拡大もリスク要因か。一方、物価上昇はピークアウトした可能性があり、金利低下余地拡大が相場の下支えとなろう。
(8/5記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】ボックス圏での推移も、正念場と捉えたい
8/10~8/13の日本株式市場は、ボックス圏でのもみ合いの展開を想定する。決算発表が一巡する中で、内容を見極めたいとの様子見姿勢がより強まろう。お盆休みに伴い市場参加者が減少することが見込まれ、ボラティリティが高まる展開には留意したい。
国内では新型コロナウイルスの新規感染者数が大幅に増加しており、緊急事態宣言の対象地域も拡大している。もっとも、感染拡大シナリオ自体はほぼ織り込み済みと考えられ、相場への影響も相対的には限定的な印象。感染者数に基づいた仕掛け的な売買は早晩収束に向かうことが考えられる。
主要企業がこれまでに行った決算発表については、第一四半期での通期見通し据え置きに売りで反応する場面も見られ、市場の期待値が高くなっていると考えられる。物色対象としては、引き続き上半期或いは通期業績見通しに関して強気な見方を提示した好業績見込み銘柄群となろう。もっとも、外部環境等によって反応がまちまちな事例も散見されるように見えることから、内容を見極める必要がありそう。
主要国の株価指数と比べても出遅れ傾向が顕著な日本株だが、コロナ前の水準を上回っている予想EPSに鑑みれば、企業業績の実績に対して相当程度割安に放置されていると考えられる。ワクチン接種の進展で風向きが変わる可能性はあり、本格的な上昇に備えた正念場と捉えた方がよさそうだ。
(8/5記 マーケット支援部 山本)