【世界市場の見通し】日中が軟調な中、米国株は好調な経済が相場を下支えか
7/12~7/16の世界市場は、日中が軟調な中、米国株は好調な経済が相場を下支えか。
日本株は、神経質な展開を想定する。もっとも、過剰流動性が維持され、企業業績が改善方向にあり、積極的な財政政策がとられている現状、株式市場が下落し続けるとは考えにくく、過度に弱気になる必要はないだろう。押し目は買いと考える。
米国株は好調な経済成長が相場を下支えする展開か。IMFは2021年GDP成長率を7%と予想。また2022年にはインフレ率が2%台に、失業率も3%台まで低下すると予想。CPIや金融機関の決算が発表予定。商品価格や賃金動向からCPIは高めの水準を想定。一方、金融機関の決算は金利やトレーディング収入に慎重な見方があり、発表前は様子見気分が強まりそうだ。
中国株は軟調な展開を想定。7/15にGDPが発表予定。8%台の成長率を市場では予想しているが、一部では7%台を予想する向きもある。1Qが18.3%の成長だったことから、大幅な減速となりそうだ。ただ経済対策への期待感から戻りを試す可能性もありそうだ。
(7/9朝記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】目先の調整場面は買い場と捉えたい
7/12~7/16の日本株式市場は、神経質な展開を想定する。足もと、日本株はバリュエーション面では割安感があるものの、新型コロナの感染拡大懸念や世界景気の回復の遅れなどを意識する場面があろう。
もっとも、過剰流動性が維持され、企業業績が改善方向にあり、積極的な財政政策がとられている現状、株式市場が下落し続けるとは考えにくく、過度に弱気になる必要はないだろう。押し目は買いと考える。主要株価指数が最高値近辺にある米株式市場が相場を下支えし、ワクチン接種の進展や4~6月期決算発表で好業績が確認できれば相場の方向性は上向きに転じると考える。米長期金利の上昇モメンタムが一服したことで、グロース株のリバウンドが見込まれることも好材料といえよう。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7/2、2020年度の運用実績を発表。2020年度の収益額は37兆7986億円の黒字、収益率は25.15%だった。主要国で景気対策のための大規模な財政支出が行われ、緩和的な金融政策が継続されたことから、国内外の株式市場が大幅に上昇したこと等が寄与した。ちなみに、年金積立金の市場運用を始めた2001年度から20年間の累積の収益額は95兆3363億円に。
(7/9朝記 投資調査部 大塚)