【世界市場の見通し】米国株は確りだが、日中はまちまちの展開か
5/3-5/14の世界市場は、米国株は確りだが、日中はまちまちの展開か。
米国株は確りの展開を予想する。法人税や富裕層向け増税に関する議論が気になるところだが、原案通り成立する可能性は低いと考えられる。企業業績も概ね市場予想を上回っており、好調な企業業績と経済が引続き相場を下支えるか。
足もと日本株式市場は米国株式市場に劣後する状況だが、その要因の一つにワクチン接種の遅れがありそうだ。このような環境下、政府はワクチン接種を加速するため東京と大阪に大規模な接種会場を開設し、5月中にも運営を始める方針のもよう。今後の進展に期待したい。
中国株は神経質な展開か。中国の経済自体は非常に好調のようで、労働節連休中の旅行者数も19年実績を上回り過去最高を更新する見込み。ただ、住宅価格や製品価格は高止まりしており、金利上昇に対して神経質になる場面もあろう。
(4/28記 投資調査部 藤本)
5/6-5/14の日本株式市場は、決算発表を受けた個別物色の展開を想定する。
4/25から一部地域に緊急事態宣言が発出されたが、過去2回の期間中、日経平均は上昇した。見方によっては、感染抑制とその後の経済活動の再開を織り込む局面とも捉えることができよう。これまでに得た知見を活かした企業の対応力に注目か。新型コロナの影響を直接受ける空運や外食と言った業種の銘柄に関しては、悪材料出尽くしで買いのタイミングを計る場面とも。
米国株に続き日本株も3月決算企業を中心に、本格的な決算発表シーズンに突入した。ポイントは、今期(2021年度)の業績を企業側がどのように予想するかという点になろう。4/1に発表された2021年3月調査の日銀短観では大企業(全産業)の今期の経常利益は、前年度比3.6%増と保守的な予想になっている印象。市場予想並みか下方乖離した場合、その初動は安川電(6506)や日電産(6594)のように、売りとなる可能性があることに留意したい。
(4/28記 投資調査部 大塚)