業績予想の下方修正に要注意
4/6-4/10の日本株式市場は、引き続き上下に大きく振れる、荒い値動きの展開を想定する。新型肺炎感染拡大の収束が見通せない中、神経質な相場環境が継続しよう。
足もとの新型肺炎の世界的な感染拡大を受け、グローバルに経済活動が制限され縮小しているもよう。日本経済も例外ではなく、大きな影響が生じていると言えよう。
これまで年後半の景気の回復を見込む向きが多かったと思われるが、想定以上に景気停滞が長引く可能性があるとの見方も出始めたと思われる。
3月決算企業の一部に2020年3月期通期の業績予想を下方修正する会社も出始めた。このような経済環境下で下方修正は想定の範囲内とは言え、予想を超える場合には過剰な反応になることもあるだろう。冷静な対応が求められよう。一時的に投資家のリスク回避姿勢が強まる場面もありそうだ。
もっとも、各国は金融・財政政策を総動員で対応する姿勢を見せており、その効果を評価する場面もありそう。感染拡大のスピードは気になるが、政策対応は早そうで相場の支援材料となるだろう。押し目は買いで臨みたい。
安倍首相は3/28の記者会見で、「これまでになく厳しい状況に陥っている現下の経済情勢に対して、思い切った手を打つ」、「マグニチュードに見合っただけの強大な政策を、財政、金融、税制を総動員して実行していく」と述べた。なお、経済対策はリーマン・ショックの規模を上回る、かつてない規模になる見込み。景気底割れ回避が期待されよう。
大企業・製造業のDIは7年ぶりマイナスに
日銀は4/1、2020年3月調査の短観(全国企業短期経済観測調査)を発表。企業の景況感を表す業況判断指数(DI)の最近は大企業・製造業で-8となり、前回(2019年12月調査)の0から8%pt低下した。悪化は5四半期連続で、マイナスになるのはは7年ぶりのこと。
新型肺炎の感染拡大が景況感の悪化につながったもよう。なお、非製造業のDIの最近は8となり、前回の20から12%pt低下した。
2020年度の事業計画の前提となる想定為替レート(全規模・全産業)ドル/円は107円98銭であった。
(4/2記 マーケット支援部 大塚)