波乱想定も投資機会を探る
3/30-4/3の日本株式市場は、上下に大きく振れる荒い値動きの展開を想定する。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時60.86pt(3/16)まで上昇し、東日本大震災の際に付けた69.88ptに迫る場面があった。足もと、低下傾向にあるものの水準は依然として高く、波乱も想定すべきと考える。
4/1に名実ともに新年度入りする日本株式市場だが、新型肺炎感染拡大の収束が見通せない中、神経質な相場環境が継続すると考える。欧米などでは感染拡大を抑制するために経済活動を制限する動きが出ており、世界的に経済活動が停滞することが予想される。
もっとも、各国は金融・財政政策を総動員で対応する姿勢を見せており、その効果を評価する場面もありそうで、状況の変化に注意したい。
安倍首相は3/14に記者会見を開催。その中で、新型肺炎感染拡大による経済減速に対応するための経済対策を間髪を入れずに講じる考えを示した。
一部報道によれば、新型肺炎感染拡大に対処するため、近々策定されると見られる経済対策は、リーマンショック時を上回るとの見方もあるようだ。新型肺炎や世界経済の先行き不透明感を政策期待が上回る時が遠くない時期に訪れると考える。中長期投資の観点からは引き続き投資機会を探るタイミングであると言えよう。
大企業製造業の業況判断指数はどうなる
4/1に日銀から2020年3月調査の短観が発表される予定。
大企業・製造業の業況判断指数(DI)の「最近」は-10%ptの予想(QUICKが集計した予測中央値、3/25時点)で、前回2019年12月調査(0%pt)から10%pt低下する見込み。一方、大企業・非製造業の業況判断指数(DI)の「最近」は5%ptとなる予想(同)で、こちらも前回調査(20%pt)から15%pt低下する予想に。
世界的に新型肺炎の感染が拡大するなか、世界経済への影響が出始めている状況で、製造業中心に日本企業の景況感がどれ程の落ち込みになるかを確認したい。
(3/26記 マーケット支援部 大塚)