株価の先見性
2/17-2/21の日本株式市場は落ち着きどころを探る展開を想定する。新型肺炎への過度な警戒感は後退しているように思われるが、外部環境をにらみながらの流れは継続しそうだ。ニュースに一喜一憂する場面も予想されるが、押し目は買いで臨みたい。
短期的には新型肺炎の悪影響は避けられないと思われるが、今後数カ月のうちに事態は収束に向かうのではないかと考える。また、中国当局の景気刺激策なども予想され、中国の生産・消費活動等も改善していくと見ている。政策が積極的に実施されることが期待できた時点で、足もとの景気悪化懸念は、売り材料ではなくなると考える。株価の先見性が発揮される場面となろう。米国の主要株価指数が最高値近辺にあることは、新型肺炎後を織り込み始めた証左とも捉えることができそうだ。日本株にとっては好材料と思われる。
2月半ばで、決算の発表がほぼ一巡した。今後は今期業績予想をベースに、来期を見越した銘柄の選別が進むものと思われる。
QUICKの集計(2/12時点、東証1部、会社予想)によれば、3月決算企業の2020年3月期通期の売上高は前期比0.52%減、営業利益は同6.79%減、純利益は同7.16%減になる見込み。
日本企業を取り巻く収益環境は依然として厳しい状況と思われるが、その先を見据えた投資を行う時期と考える。
2/17に10-12月期GDP発表予定
2/17に内閣府から2019年10-12月期のGDP成長率(1次速報値)が発表される予定。株式市場にも影響がある重要経済指標であることから、関心の高いイベントと思われる。QUICKが集計した予測中央値(2/10時点)は実質GDP成長率ベースで前期比年率3.9%減の見通し。2019年7-9月期は同1.8%増とプラス成長であったが、5期ぶりにマイナス成長に転じる見込み。
その背景には、2019年10月の消費税率引き上げに関連した駆け込み需要の反動減が発生したと思われることや、台風19号の被害、暖冬の影響を受けたことが要因として挙げられよう。
(2/13記 マーケット支援部 大塚)