神経質な地合いが継続と考えるが
2/10-2/14の日本株式市場は引き続き新型肺炎への警戒感が残る中、神経質な地合いが継続すると見込まれる。外部環境をにらみながらの展開となろう。
新型肺炎の感染拡大が景気や企業業績に負の影響を与えることを回避することは困難と思われるが、いずれ収束する一過性の問題であることを前提とすれば、下落局面は買いで臨みたい。
直近の株安を受け、過熱感の目安となる騰落レシオ(東証1部、25日移動平均)も、一時売られすぎとされる80%を下回る水準まで低下する場面があった。
3月決算企業の第3四半期累計決算発表は、主力銘柄を中心に概ね一巡するタイミングとなる。注目された通期業績予想の見直しに関しては、足もと上方修正よりも下方修正が多いとの印象か。QUICKによる3月決算企業の決算集計(2/5時点、東証1部、会社予想)によると、2020年3月期通期の売上高は前期比0.3%減、営業利益は同6.6%減、純利益は同5.6%減の予想となっている。事前の想定通りとも言えそうで、違和感やサプライズはないと思われる。
中国経済は新型肺炎の感染者拡大により消費、観光、生産活動などに影響が出ると思われ、経済成長の減速が予想される。
日本企業の一部業種においても、その影響を受ける銘柄がありそうだ。もっとも、中国は相応の金融・財政政策を打ち出すと思われ、今後の動向に留意したい。過度な懸念は必要ないと考える。
企業価値向上表彰 大賞はコマツ
東京証券取引所は1/28、「第8回企業価値向上表彰」を発表。大賞にコマツ(6301)を選出した。資本コストをはじめとする投資者の視点を強く意識した経営を実践し、高い企業価値の向上を実現している会社を表彰することが狙い。
コマツについては、自社の株主資本コスト水準(8%程度と想定)を踏まえ、これを上回るROE目標(10%以上)を設定すると共に、資本コスト水準やその低減に向けての取り組み等が評価されたもよう。
なお、優秀賞には資生堂(4911)、ANA(9202)、ニトリHD(9843)の3社が選ばれた。
(2/6記 マーケット支援部 大塚)