日経平均は年初来高値を更新
10/28-11/1の日本株式市場は、値固めの展開となりそうだ。米中貿易摩擦が和らぐなか、過度な業績懸念が後退しているもよう。
日経平均は10月前半に外部環境の好転などを好感し上昇、年初来高値を更新した。急騰したとの印象もあり、テクニカル面からは、短期的な過熱感も意識される状況か。
価格帯別出来高(2018年年初から直近まで)を見ると22,600円近辺には多くの売買があり、目先的には戻り待ちの売りや利益確定の売りをこなす必要がありそうだ。また、英国の欧州連合(EU)離脱問題も不透明要因として意識される場面があるのではないか。もっとも、国内企業の業績の底入れ期待などを支えとした上昇トレンドは継続中と思われ、調整場面は買いの好機と考える。
3月決算企業を中心に決算発表が11月半ばまで続くことになる。ここからは、個別企業の決算内容(コンセンサスとの比較や通期業績予想修正の有無、進捗率など)等を吟味したい。4-9月期の業績に関しては、米中貿易問題の影響等から前年同期比で悪化する見込み。
予想の範囲内に収まれば相場全体への影響は限られるだろう。4-9月期が業績の底になる、とのコンセンサスが形成されるよう期待したい。
IMF、世界経済は2020年回復を見込む
IMF(国際通貨基金)は10/15、世界経済見通し(World Economic Outlook)を発表した。2019年の世界経済の成長率は今回下方修正され、世界金融危機以降で最も低い3.0%と予想されている。もっとも、世界経済は2020年に持ち直す見込みとなっていて、3.4%成長まで回復する予想に。
米国の成長率は、2019年は前回7月予想から下方修正(2.6%→2.4%)されたが、2020年は1.9%から2.1%へ上方修正となった。日本の2019年の成長率は据え置き(0.9%)で、2020年は若干の上方修正(0.4%→0.5%)となった。
世界経済は2019年が底となり、その後回復する見込みだ。今後、世界経済の景気敏感株としての日本株を見直す動きが出る可能性もありそうだ。
(10/24記 マーケット支援部 大塚)