徐々に上値を切り上げる展開か
11/5-11/8の日本株式市場は、徐々に上値を切り上げる展開となりそうだ。
米中貿易問題に対する懸念が後退する中、世界景気や企業業績等の先行きに対する期待が株式相場を押し上げる流れと考える。
決算発表は後半戦に突入するタイミングだが、これまでの発表を見るに米中貿易問題等の影響で一部企業の業績に下振れはあったものの、概ね想定通りの「悪さ」と思われる。現時点で下期回復見通しを変更する必要はないとの印象か。
なお、11/4(月)は「文化の日」の振替休日のため日本株式市場は休場となる。11/8はオプションSQであることから、週央以降は先物主導による株式市場の急変動に留意したい。下落場面は買い場と考える。
日本株の強さ
世界経済の景気敏感株と評価されることの多い日本株だが、10月の期間騰落率(9/30と10/30終値との比較)をみると、日経平均の上昇率は5%。これに対し、独DAX指数は3.8%の上昇、米NYダウは1%とわずかながらプラス、英FTSE100は1%の下落に。日本株の強さが際立つ状況か。
米中貿易摩擦の緩和をきっかけに、今後の景気回復を予想したと思われる海外投資家の買いが日本株に入り始めているもよう。
東証が10/25に発表した10月第3週(10/15-10/18)の投資部門別株式売買状況(2市場、1・2部等)によると、海外投資家は現物株を5563億円買い越した。買い越し幅は半年ぶりの大きさに。日本企業の業績は、これ以上悪くならないと見る海外投資家が増えているのではないか。年初から海外投資家は日本株を売り越しており、持たざるリスクも意識されよう。
米半導体大手インテルが10/24に7-9月期決算を発表すると共に通期売上高予想を上方修正、これを好感し10/25に株価は大幅上昇した。また、米S&P500指数や米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は史上最高値近辺にある。これらのことは、日本株にとって強い支援材料と思われる。
(10/31記 マーケット支援部 大塚)