環境は依然として不透明
9/2-9/6の日本株式市場は、引き続き不透明な外部環境を睨みながら神経質な展開となりそうだ。
米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムは波乱なく通過したものの、トランプ米大統領がツイッターで中国の対米報復関税に対して、対抗措置の発表を示唆。米中貿易摩擦がさらに激化するのではとの警戒感が強まったことや世界経済の後退懸念などから8/23の米国株が急落するなど、依然として日本の株式市場を取り巻く環境は不透明な状況にあると思われる。
荒れた印象の8月相場だったが
日経平均の大幅下落は8月に3回あったと考える。1回目の下落は8/2(金)から8/6(火)の3日間で955円(終値ベース)の下落。そのきっかけは、米国による対中追加関税の発動表明だったと言えよう。2回目の8/15(木)の470円安(ザラ場ベース)は、前日の米債券市場で10年物国債利回りが2年物国債の利回りを下回り、景気後退入りの前兆とされる逆イールドが発生したことが要因と思われる。そして3回目の8/26(月)の537円安(ザラ場ベース)した背景には、8/23(金)にトランプ米大統領が中国の報復関税に対して追加関税を発表したことが影響したようだ。
日経平均は大幅下落のたびに20,000円の大台割れが危惧されたが、その手前で下げ渋る動きを見せた。状況によっては大台を下回る可能性は否定できないが、この水準は国内勢(個人、機関投資家)の押し目買いが入る水準と考える。
日経平均はPBR1倍近辺の水準にある。バリュエーション面からは割安感も感じられる水準であることから、大台を大きく割り込むような下落はないと見ている。
米中の貿易摩擦が激化している印象だが、これ以上の悪化は中国経済への影響やトランプ米大統領の支持率低下を考慮すると、ピークを迎えたといえるのではないか。
(8/29記 マーケット支援部 大塚)