経済産業省と東京証券取引所は合同で、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定、3/22に発表した。
11年目となる今回は調査内容や評価ポイント等を一新し、17業種(TOPIX-17の分類を利用)から業種ごとに最も優れた1社を「なでしこ銘柄」として17社を選定した。
「なでしこ銘柄」の選定は、東証上場企業のうち応募のあった312社から、女性活躍に関する定量的なデータや、企業の女性活躍推進に係るトップのコミットメント、経営戦略上の位置づけや開示の状況等について回答してもらい、各社の取組を総合的に評価して選定した。
11回目の選定となる今回は、近年の企業による人的資本を含む非財務情報の開示のあり方に関する議論を踏まえ、経営戦略と連動した女性活躍推進を行う企業を選定するとともに、女性活躍推進に関する情報開示を促進することを目指し、リニューアルされている。
具体的には、女性活躍状況に関する定量調査票に加え、自社の経営戦略の中で女性活躍推進をどう位置付け、その取組みの成果をどのように企業価値向上につなげているか、企業独自のストーリーを記載してもらい、定量的なデータと定性的な情報を評価した。
魅力ある銘柄を投資家に紹介し、企業の取組を加速させることが狙い
「なでしこ銘柄」を中長期の企業価値向上を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することにより、こうした企業への投資家の関心を一層高め、各社の女性活躍推進に向けた取組を一層加速化させていくことが狙い。
令和4年度「なでしこ銘柄」選定企業17社平均の売上高営業利益率(令和3年度通期)と配当利回り(同)は東証1部銘柄の平均値(同)を上回る結果に。
女性が活躍しやすい環境を作り、社員の能力を活かそうという企業の姿勢が業績に反映されたと思われる。銘柄選別のひとつの考え方として活用できそうだ。
(投資情報部 大塚)