2023年が明け、中国の街に活気が戻りつつある。22年12月以降のゼロコロナ政策のなし崩し的解除、その後の感染急拡大、市民の外出控えが一巡し、経済活動が再開し始めた。春節(旧正月)の帰省ラッシュも増えそうで、春にかけて旅行ニーズも徐々に戻ってくると見られる。株式市場ではリオープン(経済再開)関連の旅行、外食、娯楽セクターなどを中心に買い進まれる動きが続くだろう。
今年の春節は1/22だが、19年以来の"規制なき帰省ラッシュ"が各地で見られそうだ。交通運輸部は今年の「春運」(1/7~2/15の輸送強化期間)の旅客輸送量を前年同期比99.5%増の20億9500万人と見積もる。19年同期の7割程度だが、高速鉄道や飛行機は早くも混雑が目立っている。
春節の到来とともに、株式市場でもリオープンが強く意識されそうだ。主な関連銘柄としては、旅行関連で同程旅行控股(00780)、上海国際機場(600009)、中国旅遊集団中免(601888)など、外食分野では海底撈国際控股(ハイディーラオ、06862)やヤム・チャイナ(09987)などが挙げられる。食品では、青島ビール(00168)や宜賓五糧液(000858)など酒関連が中心。消費面では安踏体育用品(アンタスポーツ、02020)や李寧(02331)、美団(メイトゥアン、03690)の動向にも注目だ。カジノ人気の復活に伴い、銀河娯楽集団(00027)や金沙中国(01928)などの物色も見込まれる。すでに動意付いている銘柄もあるため、利益確定売りのタイミングなどにも留意したい。
(上海駐在員事務所 奥山)