「エシカル消費」という言葉を聞いたことがあるだろうか。あまり馴染みのない言葉だが、「エシカル消費」とは、環境・社会・地域に配慮した商品を選んで購入する消費のこと。
「エシカル」とは、倫理的、道徳的という意味の英語で、地域の活性化や雇用なども含む、人や社会と環境に配慮した新たな消費スタイルとして近年注目されているようだ。
よく似た考え方として、「エコ」や「ロハス」、といった言葉があるが、「エシカル消費」は、これらの考え方である環境や健康への配慮に「人・社会や地球のことを深く考えた消費行動やライフスタイル」という価値観をプラスしたもの。より広範な社会問題や社会責任と言えよう。
現在の私たちの生活は、安くて良いものをネットなどを通じて簡単に手に入れることができるなど、便利になったと思われる。しかしその一方で、劣悪な環境で長時間労働を強いられる労働者が存在したり、社会的立場の弱い生産者が搾取されたりしているおそれがあるほか、世界的に環境破壊が広がっている可能性も否定できないところ。
こうした背景を理解し、日常生活においてエシカル消費を心掛けることが、環境や人、社会への配慮につながり、課題の解決に貢献することになると思われる。
株式投資においても「エシカル」を意識する気運が今後高まると考える。環境を破壊し、従業員に無理難題を強いる企業は、健全であるとは言えず、短期的に利益を上げられたとしても、早晩行き詰まることになろう。考え方としてはESG投資に近いものと言えようか。
企業価値を測る材料として、キャッシュフローや利益率などに加え、非財務情報であるエシカルの要素を考慮することによって、プラス・アルファのリターンが得られるようになるのではないだろうか。