デジタル化の進展等に伴い、サイバー空間が量的に拡大し、質的に進化するとともに、現実空間との融合が進み、多くの人々、企業等にとって、重要な場所になっている。
その一方で、国内においてもランサムウェアによる感染被害が多発し、事業活動の停止・遅延等、社会経済活動に多大な影響を及ぼしている。加えて、サイバー攻撃や不正アクセスによる情報流出の相次ぐ発生等、サイバー空間は、深刻な状況にあるようだ。
ランサムウェアとは、身代金という意味を持つ英語の「Ransom(ランサム)」と、コンピュータウイルス等を含むコンピュータに何らかの処理を行うプログラムなどを指す「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語。
感染させた端末内のデータを暗号化などによって利用できない状態にした上で、そのデータを利用できる状態に戻すことと引換えに身代金(金銭)を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェアを総称する用語)のこと。
最近はデータの暗号化だけでなく、データを盗み取ったのち、企業等に対し「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと金銭を要求する二重恐喝という手口も増加しているもよう。
企業などにおいては最新の対策システムの導入等を検討するほか、セキュリティ教育を社員に実施するなどの対策が急務と思われる。加えて、警察などへの迅速な被害情報の提供や分析、対策の共有といった仕組みを確立し、被害の広がりを食い止める態勢を構築すべき、と考えられる。
(投資情報部 大塚)