マッチングサービスとは
スマートフォンの登場とともに近年身近になりつつあるマッチングサービス。言葉通りにとれば「需要と供給を繋ぎ合わせる(マッチさせる)」ものとなるが、それだと対象が膨大なものになってしまう。
本当の意味でのマッチングサービスとは、「マッチすること自体に価値があり、そこから収益を得られるもの」を指しており、その価値に対してユーザーが対価を払うというものとなる。
想像しやすいのが「パートナー探し」
マッチングサービスと聞いて比較的想像しやすいのが、恋活・婚活に使われるマッチングアプリだろう。あまりテレビ等での露出機会は多くなく、世間でも抵抗感があるような印象もあるが、実は年々受容度は高まっているとのデータがある。
一部調査によれば、2017年と2018年の比較で、そうしたマッチングサービスを利用したいという割合は22.9%から56.3%へ大きく増加した一方で、利用したいとは思わない割合は51%から33.3%へ大きく減少した。また、同サービスに不安・抵抗感がない割合も、11%から31.6%へ増加した他、恋活・婚活のために利用するサービスにおいて、2018年時点で44%と、トップの地位に躍り出た。
また、足もとの状況において、オンラインお見合いサービスへの需要が増えているとの指摘も根強い他、巣篭り効果等もあいまって、そのようなサービスへの加入者数も増加傾向にあるような印象だ。パートナー探しという意味でのマッチングサービスへの受容度の高まりは、足もとで進むオンライン化の波とも同じか或いはその延長線上での文脈で語ることもできそうだ。
実は身近なマッチングサービス
実は、マッチングサービスは今や日常的に使っていてもおかしくない程身近なものとなっている。マッチングサービスは、恋愛系に留まるものではないからである。
一例を挙げれば、副業やアウトソーシング、クラウドソーシングでは「ランサーズ」や「Crowdworks」、在宅でライティングの仕事を探す「ザグーワークス」、M&Aマッチングの「TRANBI」、フリマアプリの「メルカリ」、無料で不用品をやり取りする「giftel」、グルメサイト「食べログ」、振袖レンタルの「C2C」、価値あるオンライン授業「Udemy」、駐車場予約の「akippa」、カーシェアの「Anyca」、フードロス問題に取り組む「TABETE」といった具合に、多種多様な領域に跨るマッチングサービスが展開されている。
これらを概観しただけでも、「マッチングサービス」はオンライン化やシェアリング、働き方改革、ESG等、様々な投資テーマが紐付け可能なキーワードであると言えよう。
主な関連銘柄(銘柄略称)
主な関連銘柄としては、カカクコム(2371)、クラウドワクス(3900)、パーク24(4666)、サイバエージ(4751)、IBJ(6071)、リクルートHD(6098)、ネットマーケ(6175)などが挙げられよう。
(マーケット支援部 山本)