今年は猛暑の見込み
今年も全国的に梅雨入りし、夏が近づいてきた。今年の夏は、平年よりも気温が高くなる可能性があり、少なくとも涼しくなる可能性は低いようだ。加えて、直近10年間の夏の特徴では多雨・豪雨といったように湿度が高まりやすい模様。
こうした状況下で懸念されるのが熱中症だ。ただでさえ、人口の密集する地域に患者が多いことに加え、地球温暖化に伴い、熱中症による死者は増加傾向にある。今年は熱中症が一層猛威を振るうかもしれない。
新型肺炎の影響がここにもある
足もと新型肺炎が流行している状況下では、熱中症対策も新しい局面を迎えつつある。
例えば、感染症対策の1つであるマスクの着用。飛沫拡散予防に有効ではあるものの、マスクを着用していない場合に比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度の上昇等、身体への負担がかかってしまう。熱中症は、熱が放出されず体内にこもることで症状が発生するということもあり、このままだと熱中症患者が急増することが危惧される。
こうした背景の下、厚生労働省が「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめている。ポイントとしては、①暑さを避ける、②適宜マスクを外す、③こまめな水分補給、④日頃からの健康管理、⑤暑さに備えた体作りとなっているが、マスクに関しては、屋外で人と2m以上の十分な距離を確保できる場合にはマスクを外すよう推奨されている。
新型肺炎感染拡大防止のためにマスクをすることが常識と化しつつあるなか、熱中症患者が急増することによる間接的な医療崩壊の可能性を極小化するべく、マスクを外すことについて寛容的になるべきなのかもしれない。
マスクだけじゃない熱中症予防
当然ながら、マスクを適宜外すことだけが「新しい生活様式」における熱中症予防ではない。
こまめな水分・塩分補給やエアコンの設定温度を低くした上での室内換気の徹底もさることながら、身体を「涼しい」と感じる状態にしておくことが重要だろう。衣服を工夫することも一つの手であるし、睡眠環境を快適に保つことでしっかりとした睡眠をとったりバランスの良い食事を摂ることで丈夫な体をつくることも堅実な対策だろう。いわゆる冷却グッズを身に付けておくことも有益だろう。
もっとも、予防にとって一番重要なのは、一人一人の意識である。そのため、常日頃から熱中症指数といったような、熱中症に関する情報に接するよう意識することが求められている。
主な関連銘柄(銘柄略称)
主な関連銘柄としては、日本株では伊藤園(2593)、味の素(2802)、自重堂(3597)、大塚HD(4578)、ダイキン(6367)、ワークマン(7564)、中国株では美的集団(000333)、海爾智家(600690)などが挙げられよう。
(マーケット支援部 山本)