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今週の特集記事新しい最先端の街づくり「スマートシティ」

最先端技術が街を変える?

足もとIoT(モノのインターネット)の潮流を受けて、街の在り方が大きく変わってきている印象だ。

「スマートシティ」とは、IoTの先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市を指すとされる。世界的な人口増加に伴うエネルギー消費の増加に対する懸念や空想世界でしか描けなかった都市を創る技術の発達等を背景に、世界中でプロジェクトが進められている。

スマートシティへの取り組みの事例

世界のスマートシティ市場規模の推移予想

スマートシティで街はどのように変わるのか、世界中で取り組まれている事例を確認する。

オランダでは気象データと水路・運河の維持管理データを同時分析し氾濫を予測している他、デンマークでは街灯や下水処理システム、携帯電話等からデータを収集し信号制御の最適化や大気汚染の改善等に活用(データは取引市場を介して民間に提供)している。また、シンガポールでは国土全体を3Dモデル化し建築物や土木インフラ等に情報をリンクさせたデータベースを作成しているのに加え、米国ではスマート街灯による街灯統御や歩行者・車両データの取得、スタートアップ企業へのデータ提供等による都市環境構築が為されている。さらに、中国では「雄安新区」と冠して、エネルギー・交通・物流システムといった全面的なスマート環境と行政システムを備えた新都市を建設中だ。

このように、スマートシティを巡っては世界中で具体的な取り組みが進んでおり、構想段階から既に実装段階に移行しているような印象だ。

日本における異例の提携

日本においては、スマートシティは重要な課題の交差点として官民総出の様相を呈している。既に自治体及び企業・研究機関、関係府省等を会員とする「スマートシティ官民連携プラットフォーム」が発足され、昨年末時点で計570団体が加盟している。

また、3/24には、自動車最大手のトヨタと通信最大手のNTTがスマートシティ構想推進に向けて、互いに2000億円規模の出資を行って株式を持ち合う資本提携を行う旨が発表された。自動運転等の次世代車の技術と通信インフラ技術を組み合わせて6G(5Gの次の世代の通信規格)の活用を視野に新しい移動サービスの開発で幅広く協力するとのこと。

スマートシティは、これまでの先端技術の完成形とも言えよう。

主な関連銘柄(銘柄略称)

主な関連銘柄としては、日本株ではルネサス(6723)、トヨタ(7203)、NTT(9432)、米国株ではアルファベット A(GOOGL)、インテル(INTC)、中国株ではテンセント(00700)、平安保険(02318)、アリババ(09988)、国電南瑞(600406)などが挙げられよう。

(マーケット支援部 山本)

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