日本国内でいよいよサービス開始
日本国内において、携帯大手3社が3/27までに、5Gサービスを開始した。ただ、足もとの展開エリアはごく一部に留まるようで、NTTドコモは29都道府県の150カ所、KDDIは15都道府県の一部地域、ソフトバンクは7都府県の一部地域限定でのスタートとなっている。サービス開始とはいえ、消費者への普及には少し時間がかかるものと思われる。
5G体験には専用端末が必要
携帯各社がサービス開始に伴い5Gプランを相次いで発表しているが、プランに申し込めば5G体験が可能になるという訳ではない。5G体験をするためには、5G通信規格に対応した専用端末(いわゆる5Gスマートフォン)が必要不可欠となる。つまり、今一般的に用いられているiPhone等の現行スマートフォンでは、5G体験をすることは事実上不可能なのである。
足もとで国内向けに販売されている主な5G対応スマートフォンは、サムスンのGalaxy S20 5Gや、シャープのAQUOS R5G程度に留まる。現状は5G体験の入り口としての選択肢が少ない状況だが、4月下旬以降には、ソニーのXperia 1 IIや、LGのLG V60 ThinQ、OPPOのOPPO Find X2、シャオミのMi 10 Lite等の発売が予定されている他、アップルの5G対応iPhoneが今秋に発売される可能性があると伝わっている。徐々に選択肢が拡大していくことを通じて、一般消費者の間に5Gが普及していくこととなるだろう。
ただ、注意しなければならないのは、あくまでも5Gスマートフォンは5G体験の基盤としての役割を担うのであり、5Gの普及には、その触媒が必要となることである。
コンテンツあっての5G体験
一般消費者に5G体験が浸透していくのに際して鍵を握るのは、コンテンツとなるだろうと考える。
5Gにおいては、膨大な量のデータを従来よりも高速でやり取りすることが可能になるため、今まで通信速度がボトルネックになっていたサービスにおいて、5Gならではのメリットが感じやすくなるだろう。
例えば、動画配信サービスにおける映像コンテンツの視聴や、クラウドゲーミングサービスにおける標準的な性能のデバイスでのハイエンドゲームコンテンツのプレイといった具合だ。消費者に身近なエンターテインメント要素を拡充することを通じて、5G体験の素晴らしさを消費者に啓蒙することこそ、5G普及を成功に導く鍵となるのではないか。
5Gを巡る初陣は、コンテンツ合戦の様相を呈するだろう。
主な関連銘柄と概要
(マーケット支援部 山本)