1/29~2/2の中国株式市場は底値固めの展開と考える。
年初から中国株式市場の下落が続いている。ハンセン指数は年初から1/23まで9.9%、上海総合指数は6.9%、深セン成分指数は9.7%下落し、日米市場の大幅上昇とは一線を画す。下落の背景としては、不動産問題、景気減速懸念、政府対応の遅れ等が挙げられる。1/22には李強首相は株価対策の検討を各当局へ指示、2兆元(約41兆円)の資金で本土株を買い支える措置等も含まれるようだ。また、1/24には中銀総裁が21年以来の大幅な(0.5%pt)預金準備率引き下げを発表。中国市場は1/23~24と2日連続で大幅高となった。
香港市場では、1/17~23の5日間の空売り株数は38.5億株と、週次空売り株数比では22年3月以来の最大となった。ハンセン指数は1/22の予想PERが7.8倍(1/23、Bloomberg)と、日経平均の16.0倍(同日、QUICK)と比較しても割安。政府は月内にも更なる株価対策を発表するとみられ、株価が反発する可能性もあろう。ただ、2/10~17に春節の長期祝休日を控えているため、株価の本格反発はそれ以降になると考える。当面は底値固めの展開か。
1/31に1月購買担当者景気指数(PMI)が発表予定だが、景況感の改善は期待できないだろう。株価の上昇には抜本的な経済対策が必要とみられる。3/5に全国人民代表大会の開幕が予定され、春節後には景気対策が順次報じられよう。本格反発は春節後か。
(1/24記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
小米集団(シャオミ)(香港・01810/Z8852)
◆スマホ出荷台数ベースでは、23年3Qに世界3位(市場シェア14.1%)。スマート家電などIoT(モノのインターネット)も手掛けている
◆23年3Q(7~9月)の売上高は前年同期比0.6%増、純損益は黒字転換。粗利益率は前年同期の16.6%⇒22.7%に上昇し、過去最高を更新
◆23年3Q、スマホの世界出荷量は前年同期比1.1%減少した中、同社の携帯出荷量は同4.0%増加した。23年10月に中国で発売を開始したハイエンドスマホ「Xiaomi14」シリーズは大人気を博し、4Qのスマホ平均販売価格は3Q比上昇に向かう見込み。また、電気自動車(EV)業界に参入し、24年上期に量産を実現する目標
(投資情報部 呉)
美高梅中国控股(MGMチャイナ・ホールディングス)(香港・02282/Z8088)
◆カジノや関連ホテルなどの開発、運営を手がける。市場シェア(カジノ収入ベース)は19年の7%⇒23年9月末の12%(推定)に上昇した
◆23年1~9月期の売上高は前年同期の4.4倍、調整済みEBITDAは黒字転換
◆マカオと本土の往来制限緩和で23年の旅客数は前年の4.9倍で、マカオのホテル平均稼働率は22年末の43%⇒23年11月の82%に回復した。23年のマカオのカジノ収入は前年の4.3倍に急伸し、23年12月は19年同月の8割に持ち直し、24年通期も堅調に推移へ。また、23年以降のカジノライセンスに基づく同社のカジノテーブル数は前期より36%増加しており、今後市場シェアの拡大に期待できる
(投資情報部 呉)