1/22~26の中国株式市場は自律反発の動きが強まりそうだ。
中国人民銀行(中央銀行)が1/15に中期貸出制度(MLF)金利を2.5%で据え置き、1/22公表予定の最優遇貸出金利(LPR)も据え置かれる見通し。もっとも、預金準備率の引き下げを含めた金融緩和期待は根強く、相場の一定の後押し材料になろう。中国証券監督管理委員会(CSRC)は1/12の記者会見で、「A株市場のバリュエーションは歴史的低水準にあり、長期的に見て比較的高い投資価値を備えている」と強調。見直し買いの機運も徐々に醸成されつつある。
中国の23年10~12月期GDPは前年同期比5.2%増だった(1/17発表)。23年通年も前年比5.2%増と、当初目標の「5%前後」を達成。大きなサプライズはなく、焦点は今年の成長率及び目標が5%以下になるかどうかに移る。
市場では旅行関連株が物色されそうだ。1/26から春節(旧正月)前後の特別輸送態勢「春運」期間がスタートする(~3/5)。帰省需要のほか、南部への「避寒旅行」、北部への「氷雪旅行」向けニーズも膨らむと見られる。中国旅游研究院は今年通年の国内旅行者数を19年とほぼ同じ60億人超と予想。トリップドットコム・グループ(09961)、同程旅行控股(00780)などの値動きを注視したい。中国旅遊集団中免(601888)は23年12月期で前年比24.1%増収33.5%増益(速報ベース)と発表済み。書き入れ時を迎え再注目される可能性もあろう。
(1/17記 上海駐在員事務所 奥山)
【紹介銘柄】
浙江銀輪機械(ジェイジアン・インルン・マシーナリー)(深センA・002126/Z9109)
◆ラジエータやオイルクーラなど熱交換器のリーディングカンパニー。排気ガス処理装置も手掛ける
◆23年1~9月期の売上高は前年同期比33.2%増、純利益は同91.6%増と好調に推移した。同社は23年12月期の売上高が前年比27.4~29.7%増、純利益が同53.9~67.0%増になる見通しを発表
◆23年6月中間期、新エネ車向け売上高は前年同期比66.7%増となり、売上構成比は同3.9pt上昇の24.2%に上った。海外展開を積極的に推進。メキシコ工場は23年2Qに生産を開始し、同年4Qには損益分岐点に到達した。ポーランド工場は23年8月に初出荷を行い、24年の業績へフルに寄与する見込み
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
宇通客車(ユートン・バス)(上海A・600066/Z8641)
◆23年のバス販売台数は前年比20.9%増の3万6518台(うち大型バスは同65.0%増)
◆23年7~9月期は売上高が前年同期比61.4%増、純利益が同195.9%増。同社は23年通期の純利益が前年比85~150%増、非経常損益などを除く純利益が同340~500%増と見込む
◆海外市場におけるバスの需要増が業績に寄与。同社の23年のバス輸出台数は前年比78.9%増の1万165台に達し、海外部門の売上比率も上昇(22年は30%)。また、国内旅行ニーズの高まりも業績を押し上げた。23年の国内バス販売台数は前年比7.5%増の2万6353台に上った。24年の予想配当利回りは6%超
(投資情報部 呉)