1/15~19の中国株式市場は方向感のない展開を見込む。
12/31に中国物流購入連合会が発表した23年12月の購買担当者景気指数(PMI)は、非製造業が前月から改善しほぼ市場予想通りだったものの、製造業は前月から若干低下。3カ月連続で景況感の分岐点である50を下回った。ただ、1/2に発表された財新製造業PMIは前月比で改善しており、12月の景気に対する過度な懸念は無用と考える。
1/5にはシャドーバンキングの中植集団が破産申請を行った。不動産等への融資の焦げ付きで23年8月に子会社が支払い不能になり、政府は迅速な対応で12月には破綻を承認した。ただ、株式市場は不動産関連の債務リスクに神経質になり、翌取引日1/8 のハンセン指数は前日比1.9%の下落。
1/13に予定される台湾総統選挙は中国と距離を置く与党民進党の頼清徳氏がリードしている。96年の直接選挙導入時に、総統任期は1期4年で最長2期となり、今回、民進党が勝利すれば、民主化以来初めて3期連続で与党になる。仮に、中国が態度を硬化させれば、海外投資家の反発を招き中国株への売り材料になろう。また、1/17には12月主要経済指標と10~12月GDPが発表予定。22年12月はコロナ禍で景気が下振れたため、23年12月は前年比効果で高い指標の伸びとなろう。また、10~12月GDP成長率は5.2%が見込まれる。ただ、センチメントが悪いだけに、良い結果が出ても株価の反応は鈍いと考える。
(1/10記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
比亜迪(BYD)(香港・01211/Z3073、深センA・002594/Z8607)
◆23年の通年販売台数は前年比61.9%増の302万4417台となり、目標の300万台を達成。10~12月期のEV乗用車販売台数は52万6409台で、米テスラ(48万4507台)を上回り世界首位
◆同社は23年12月期が前年比60.0%増収、同70.0%増益を見込む
◆海外事業は日本やドイツなど70以上の国・地域で展開中。海外市場における23年の新エネ車(乗用車)販売台数は前年比334.2%増の24万2765台に上った(販売全体の8.0%)。24年にハイエンド車種を最多7モデル投入予定。価格帯は同社の全体平均の2倍近く(25万元超)になる見通し。販売増はトップライン押し上げに直結しそう
(上海駐在員事務所 山藤)
国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー)(上海A・600406/Z8435)
◆送配電網オートメーション、工業制御製品の開発・製造や、電力ネットワーク、新エネルギー分野向けの関連システム統合サービスを提供
◆23年1~9月期業績は前年同期比11.5%増収、同13.8%増益。新型電力システム(新エネ発電が主体)分野での受注増が業績に貢献したもよう
◆政府が太陽光や風力など新エネ発電を推進する中、送配電網や電流制御システムなどのグレードアップが必要とされ、同社製品の受注増が見込まれる。特高圧向けの投資額は第14次五カ年計画(2021~25年)では前の五カ年計画の実績から30%増の4500億元に上る見通し。次期五カ年計画でも3割超の成長が続くと見込まれている
(上海駐在員事務所 山藤)