10/23~27の中国株式市場は上昇基調を維持すると見込む。
10/18 に発表の7~9月GDP成長率は前年同期比+4.9%と、市場予想(同+4.5%、Bloomberg)を上回ったものの、4~6月の同+6.3%から大幅に減速。ただし、これは前年4月に都市封鎖が広がったための前年比効果で、前期比では+1.3%と、4~6月を上回る高い成長となった。同時に発表された9月単月の経済指標では、GDP成長率と相関が高い鉱工業生産が8月と同じ前年同月比+4.5%と高めを維持、懸念された新築住宅販売は8月末に発表の住宅販売促進策もありマイナス幅が着実に縮小している。
国慶節後の中国株式市場は、香港が下げ渋る中、本土は下落基調が続く。インフラ投資の資金調達である特別債の今年発行枠を9月末までに消化したことから、今後のインフラ投資を懸念しインフラ関連株が売られている。また、10/7に始まった中東紛争の拡大や原油価格の高騰に対する懸念から、航空会社や旅行関連の株価が軟調。更に、不動産大手の碧桂園(02007)が初の債務不履行に陥った模様。
当面は中国の景気持ち直しを好感し株価は穏やかな上昇基調になるとみる。ただし、中東情勢、米国金利、中国の不動産問題の状況によってはボラティリティが高まろう。
(10/18記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)(香港・02020/Z4649)
◆中国市場シェアでナイキに次ぐ第2位(22年)
◆23年6月中間期は前年同期比14.2%増収、同32.3%増益と好調
◆同社は7~9月の「FILA」ブランドの販売額が前年同期比10~20%程度増、他ブランドが同45~50%増加し、相対的に高い増収を見込む。23年9月のアパレル業界の在庫調整が終わり、平均価格も上昇し市場環境は改善している。同社の6月末時点の在庫回転日数は前年同期の145日⇒124日に短縮し、下半期もさらに改善が見込まれる。また、女性向けの有名スポーツウェアブランド「MAIA ACTIVE」の買収を発表。今後女性向け市場の拡大やブランド力の向上などのシナジー効果が期待できる
(投資情報部 呉)
波司登国際(ボシデン・インターナショナル・ホールディングス)(香港・03998/Z4692)
◆羽毛衣料の開発、生産などを手掛ける。17年からダウンジャケットにフォーカスする経営戦略に転換
◆23年3月期は前年比3.5%増収、同3.7%増益。3月末時点の在庫回転日数は前年同期の150日⇒144日に短縮。今期は在庫調整が終わる予想
◆オンライン販売を強化し、3月末時点のECプラットフォームでの会員数は前年比35.5%増。オンライン販売額は同22.5%増加しており、売上比率は29.4%に上った。また、スタイリッシュさを備えたスリーシーズン対応のライトダウンジャケットの開発で、若年層を更に開拓し、粗利益率が高い(66.2%)ダウンジャケットの販売は拡大すると見込む。今後、ダウンジャケット単価の上昇が期待される
(投資情報部 呉)