10/16~20の中国市場は確りの展開を見込む。
9/29~10/6の中秋節・国慶節での国内旅行者数は前年比7割増の延べ8.26億人。ただ、19年比では4%増に留まり、8月の国内線乗客数が19年比11%増だったことを考慮すると旅行消費が後退した印象。このため、政府は財政赤字を当初計画より少なくとも1兆元(GDP比約1%)拡大し景気刺激策を検討しているようだ。また、10/9には米超党派上院議員の訪中団が習主席と面会、米中関係改善の期待が高まっている。米市場金利が低下したこともあり、若干人民元高に振れ、香港市場は堅調に推移している。
10/18には7~9月GDP成長率と9月の経済指標が発表予定。7~9月GDPは前年同期比+4.5%と4~6月の同+6.3%からの減速が見込まれる。ただし、民間調査会社によると、9月新築住宅販売が底堅く新築住宅価格が5カ月ぶりに前月比で上昇へ転じた模様。また、9月の乗用車販売も前年比伸び率が高まった。9月の経済指標は景気持ち直しの継続を示すとみられ、株式市場は好感しよう。
10/10に不動産大手の碧桂園(02007)は全ての外貨建て債券の返済義務を期日までに遂行できないと発表。不動産問題は長期的問題のためリストラ案の作成合意にも時間がかかろう。ただ、合意されれば不透明要因の後退として株価が反発するとみる。
(10/11記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント・グループ)(香港・00027/Z5136)
◆カジノや関連ホテルなどの開発、運営を手がける
◆23年上半期の売上高は前年同期比140.9%増、調整済みEBITDAは前年同期の1.9億HKD⇒44億HKD
◆マカオと本土の往来制限の緩和による旅行客数の増加で、マカオのホテル平均稼働率は22年末の42.8%⇒23年8月の88.7%に回復。23年末や来期の春節などで旅行ニーズ増加も後押し。23年1~9月のマカオのカジノ収入は前年同期の4倍に急伸し、19年同期の59%まで持ち直し、23年10~12月は19年の約7割に回復する予想。23年2Q、新設ホールが開業し、世界規模のコンサートなどを主催。リゾート建設プロジェクトも推進し、今後非カジノ分野は業績に寄与しよう
(投資情報部 呉)
珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンセズ)(深センA・000651/Z8610)
◆28年連続でエアコン国内販売量1位
◆23年上半期は前年同期比4.2%増収、同10.5%増益。原材料高の緩和で、粗利益率は前年同期の24.5%⇒28.7%に改善した
◆23年上半期の契約負債は前年同期比80%増の290億元となった。営業活動によるネットキャッシュフローも大幅増で、顧客からの需要が増えると見られるため、下期の業績も押し上げよう。23年1~8月のエアコン国内販売量は夏の販売増などで前年同期比12.6%増。また、1~8月の不動産完成床面積は前年同期より19%増。中国政府が未完成物件の完成を急いでおり、今後も住宅の完成件数は増加し、エアコン設置増加が見込まれる
(投資情報部 呉)