10/9~13の中国市場は、本土市場は確りの展開、香港市場は米国株式市場が安定してくれば追随すると見込む。
9月末に発表された中国の購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が半年ぶりに景況感の分岐点である50を上回り、景気全体を示すコンポジットPMIが前月比+0.7ptの52.0と改善。また、同日に発表された不動産会社トップ100社の9月新築住宅販売金額は前年同月比▲24.1%と、8月の同▲39.2%からマイナス幅が大幅に縮小。8月末に新築住宅取引規制の緩和等が発表されたことが寄与したとみられる。更には、中秋節・国慶節の祝休日(9/29~10/6)の最初の5日間の旅行者数は前年比2.9倍の2426万人へ拡大した。中国の景気は持ち直しつつあるようだ。
国慶節で本土市場が休場の中、9/29の香港市場は前日に習近平国家主席が今年の成長目標達成に注力すると発言したこともあって大幅高となり、10/3は米国金利の上昇等により大幅安になるなど、ボラティリティが高まっている。しかし、懸念された中国景気と新築住宅販売に持ち直しの兆しが出てきたことから、本土市場は確りの展開を見込む。香港市場は過去の株価レンジの安値圏ではあるが、米国の金利や株式市場の影響を受けやすいため、好転が遅れることも考えられる。
(10/4記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
分衆伝媒信息技術(フォーカス・メディア・インフォメーション・テクノロジー)(深センA・002027/Z8608)
◆映画館、ポスター、商業オフィスやビルのディスプレイ広告などを手掛ける
◆23年上期は前年同期比13.7%増収、同59.0%増益。スケールメリットが出やすい構造のため、粗利益率は同4.9%pt上昇の63.9%
◆23年に入り小売売上高が回復中。1~7月の中国広告市場は前年同期比5.4%増の中、エレベーターのディスプレイとポスターによる広告費は各々同20.9%増、15.0%増と市場全体を上回った。同社はメディア設備数を増やし、7月からは媒体宣伝価格を10%引き上げる方針を打ち出し、来期も維持する見込み。このため、今後の業績を押し上げよう。また、映画市場も回復し同社の映画広告収入も追い風
(投資情報部 呉)
香港証券取引所(ホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング)(香港・00388/Z2888)
◆現物市場、デリバティブ市場や決済機関などを保有・運営する。取引所別のIPO調達額は世界トップ級
◆23年上期は前年同期比18.3%増収、同30.5%増益。金利上昇による純投資収益の大幅増(前年同期比約30倍)が寄与した
◆政府は8月末、香港市場の流動性を高めるためのタスクフォースを設置。10月25日に発表される「施政報告」ではタスクフォースをまとめた提言の一部が採用され、株式取引にかかる印紙税率の引き下げなどが含まれる可能性もある。また、ストックコネクト制度の改善、人民元建て香港株取引の導入やハイテク企業上場誘致の強化もあり、投資家の株式投資意欲の改善につながろう
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)