9/11~15の中国株式市場はしっかりの展開を見込む。
中国政府は8/31に新築住宅販売促進策として、初回および2回目の住宅購入者を対象とした頭金比率の引き下げや既存住宅ローン金利の引き下げを承認。これを受け、週末(9/2~3)の北京や上海の新築住宅販売が急拡大した。また、8/31に発表された8月の購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が前月比+0.4ptの49.7と景況感の分岐点である50を下回ったもののサブ指数がほぼ全て改善、PMIを発表した中国物流購入連合会は「景気回復の兆し」と評価した。これらを受け、9/4に中国株式市場は不動産株を中心に大幅に反発。
9/9には8月の生産者物価指数(PPI)が発表予定。8月PMIのサブ指数が製品価格の上昇を示したため、PPI前月比はプラスへ転じると見込まれる。工場出荷価格が上昇するため企業業績にはプラス要因と考える。また、9/15には8月の主要経済指標の発表が予定される。9月に入ってからの新築住宅販売の急拡大は8月の指標には反映されないが、地方政府はその以前から住宅取引規制の緩和を進めており、8月の新築住宅販売では伸び率の下げ止まりが確認されよう。新築住宅販売の落ち込みが中国景気下振れの主因だったこともあり、住宅問題に対する懸念が後退すれば、景気に対する懸念も一旦収束し、中国株の買い安心感が広がろう。
(9/6記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
比亜迪(BYD)(香港・01211/Z3073、深センA・002594/Z8607)
◆22年の新エネ車販売台数は186万3494台で世界首位
◆23年上半期は前年同期比72.7%増収、同204.7%増益。23年の新車販売目標(300万~360万台)の達成に向けて順調
◆中国の自動車市場における同社シェアは23年上半期に9.5%まで上昇し、初めてTOP3入りを果たした。新エネ車(市場全体の28.3%)に限るとシェア33.5%と首位独走。都市部での販売拡大を目指し、高級車市場の7割を占める「BBA(BMW、ベンツ、アウディ)」の対抗モデルを年内投入予定。また、日本やドイツなど53カ国・地域で事業展開中。海外市場における23年上半期の新エネ車販売台数は前年同期比95.8%増
(上海駐在員事務所 山藤)
長飛光繊光纜(ヤンツェ・オプティカル・ファイバー・アンド・ケーブル)(香港・06869/Z8379)
◆光ファイバー母材となるプリフォームも手掛ける
◆23年上半期は前年同期比8.2%増収、同15.5%増益。粗利益率は同3.6pt上昇の26.1%に改善
◆企業買収や投資拡大などで多角化経営を強化し、事業領域を光学部品&モジュールや第三世代半導体などまで広げた。また、海外事業も積極的に推進。23年上半期、海外事業の売上高は前年同期比11.6%増で、全売上高の35.3%を占める。7月の中国移動(00941)による光ファイバーケーブルの入札結果では、同社がシェア19.4%と首位を獲得し、落札価格も前回より若干上昇。当該落札分は9月から同社業績に寄与し始める見込み。低いバリュエーションも魅力
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)