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中国株マーケット情報景気刺激策を求め株価はもう一段安の可能性

6/5~9の中国株式市場は、上値の重い展開の継続を想定。

5/25に開催された米中商務閣僚会合では、両国が通商政策等で互いに懸念を表明したが、対話チャンネルを維持することで一致。テスラ等の米国企業トップも訪中し中国ビジネスの重要性を示したが、一方で中国戦闘機が米国偵察機に威嚇行動をするなど、米中関係は一進一退が続く。

経済面では、5/31に発表の5月購買担当者景気指数(PMI)が製造業、非製造業共に4月から低下。特に、製造業は市場予想(Bloomberg)を下回り、2カ月連続で景況感が悪化。また、非製造業も新規受注が大幅に低下し、インフラ投資等の停滞が推測される。更に、コロナの感染拡大を懸念し人々が旅行等を抑制したことも考えられる。

ただし、コロナの新規感染者数は6月末にピークアウトが見込まれる。インフラ投資についても、政府は拡大方針とみられるため、早晩、起債で資金調達しインフラ投資を拡大しよう。更に、景気サイクルである在庫状況をみると、年央にも調整が一巡し回復が遅れている製造業も持ち直し局面に入るとみられる。

ただ、投資家は政府の景気下支え策と早期の景気回復を期待しているようだ。中国市場、特に香港は既に割安感が出ているものの、景気下支え策の発表がなければ目先、もう一段安の可能性もあろう。

(5/31記 投資情報部 白岩)

【紹介銘柄】

中国電信(チャイナ・テレコム)(香港・00728/Z4063)

◆23年3月末時点のモバイル契約数は3億9870万件。そのうち、5G契約数は2億8321万件

◆23年1~3月期は前年同期比9.2%増収、同10.5%増益

◆政府はデジタル経済を国策として強力に推進し、中国のデジタル経済規模は21年の45.5兆元⇒25年の60兆元以上⇒32年の100兆元以上に拡大する見通し。クラウドサービス「天翼雲」の売上高は279億元(21年)⇒579億元(22年)と急増が続き、23年には1000億元を目標としている。中国パブリッククラウド(IaaS+PaaS)における市場シェアは22年下期に第3位の10.3%に拡大。配当性向を22年の65%⇒70%以上へ引き上げる方針

(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)

海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム)(上海A・600690/Z8448)

◆中国市場シェアは、冷蔵庫が43.9%、洗濯機が46.0%でいずれも首位(22年、実店舗販売額ベース)。傘下に旧三洋電機のAQUAなど

◆22年12月期は売上高が前年比7.2%増、純利益は同12.5%増

◆中国家電市場では消費のアップグレードが進行中。22年の冷蔵庫市場で単価1万元以上の高額製品比率は37.1%(前年比5.4pt上昇)。同社はハイエンドブランド「卡薩帝(casarte)」に注力。高額市場でcasarte ブランドは洗濯機で77.2%、冷蔵庫で38.5%と高いシェアを誇る。旧型家電の買い替えを促す「以旧換新」、農村部での普及拡大を目指す「家電下郷」などの政策が後押し材料になりそう

(上海駐在員事務所 奥山)

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