11/7~11/11の中国市場は不安定な動きが継続するとみるが、ゼロコロナ脱却の動きが具体化すれば反発の可能性も。
10/31に発表の10月購買担当者景気指数(PMI)は、新型コロナの感染拡大と一部都市での都市封鎖の影響を受け、製造業、非製造業共に景況感の分岐点となる50と、市場予想を下回った。製造業は内需が悪化したとみられ、新規受注が大幅に低下。また、非製造業PMIは国慶節の旅行が不振だったこともあり同2pt近く低下、5カ月ぶりに50を下回った。
足もとで中国株式市場が軟調な背景としては、次期最高指導部の構成が主に習派で構成され、今後は成長よりもイデオロギー的政策が増えるとの懸念が、海外投資家を中心に広まり、売りが続いたことが挙げられる。また、各地で都市封鎖が実施されていることもあり、10月の新築住宅販売が悪化し、消費不振は11月も継続する可能性がある。
11/1にゼロコロナ政策からの段階的脱却に向け準備を進めつつあるとの観測が広がり、中国株は大幅反発した。株式市場は引き続き不安定な動きを続けるとみられるものの、ゼロコロナ脱却の動きが進むようであれば、反発も期待できよう。また、足もとでは7~9月決算発表が続いており、省エネ、輸出等の関連で好決算を発表する企業も出ている。好決算銘柄が物色される展開を見込む。
(11/2朝記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
BYD(香港・01211/Z3073)
◆新エネルギー車販売で世界首位(22年上半期は64万1350台。推定シェア15.2%)。携帯電話部品・組立や電池事業も手掛ける
◆22年1~9月期は前年同期比84.4%増収、同281.1%増益。粗利益率は同2.92pt上昇の15.89%。川上の電池部材分野への進出強化で原材料高を相殺。ハイエンドモデルの販売好調も奏功
◆中国の新エネ車販売TOP10のうち同社製は6車種と人気(22年1~9月)。中国シェアは25.8%と独走状態。半導体や電池を自社で手掛け、需給逼迫の影響が少ないのが強み。海外進出も強化中。23年には日本市場に3種のEVを投入予定。世界市場へのアピールでブランド力向上につながりそう
(上海駐在員事務所 山藤)
浙江三花智能控制(ジェイジアン・サンフア・インテリジェント・コントロールズ)(深センA・002050/Z8971)
◆中国の冷却・空調用制御部品大手。電子膨張弁などの製品は世界首位のシェアを誇る
◆22年1~9月期は、前年同期比33.1%増収、同25.9%増益。新エネ車向け事業が業績拡大をけん引。最大4億元の自社株買い実施へ
◆ガソリン車から新エネ車へのシフトは世界的な流れとなっている。新エネ車向けは豊富な受注残を抱えており、今後数年間にわたり高成長が続く見通し。蓄電の熱管理業務を手掛ける子会社を新設。蓄電事業の強化を急ぐ同分野に注力する米テスラや寧徳時代新能源科技(CATL)などと業務提携。今後、蓄電市場の急拡大に伴い同事業の売上寄与が大きく向上する見込み
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)