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中国株マーケット情報本土、香港共に方向感のない展開か

5/30~6/2(6/3は端午節で休場)の本土市場は上値が重い展開、香港市場は持ち直しの機会を模索する展開が続こう。

足元では好悪材料が混在している。5/24の新型コロナ新規感染者数は520人と4日間連続で1000人割れ、感染状況は改善しつつある。5/23にバイデン米大統領が対中追加関税の引き下げを検討していると発言。米国のインフレ対策とみられるが、中国経済にとってもプラス要因と考える。更に、中国政府は中小企業の支援等を含む総額約2兆元(GDP比約2%)の景気刺激策を発表。一方、米国は中国への対抗の意味合いが強いインド太平洋経済枠組み(IPEF)の始動を発表、日本など13カ国が参加。また、新疆ウイグルに関する政府の内部資料が流出し、海外との摩擦が強まりつつある。中国内では、複数の大手企業トップが政府の経済政策を批判した。

5/31には5月購買担当者景気指数(PMI)が発表される。5/1∼15の乗用車販売台数は前年同期比21%減(乗用車市場情報連席会)と、4月の同36%減からマイナス幅が縮小したことから、PMIも最悪期脱出が見込まれる。6月は上海で経済の正常化が一段と進むとみられることから、少なくとも将来の見通しを示すビジネス期待指数は改善しよう。

中国国内でもゼロコロナ政策に対する批判は強まっているようだ。都市封鎖の解除と経済の正常化をいち早く行うことが、政府が国民からの信頼を勝ち取り、株価を押し上げる最善策と考える。

 

(5/25記 投資情報部 白岩)

紹介銘柄

比亜迪(ビーワイディー)(香港・01211/Z3073) 

◆21年新エネルギー車販売台数で中国2位(市場シェア17.1%)。携帯電話部品・組立事業を行う他、電池(リチウムイオン、ニッケル)も手掛ける

◆22年1~3月期は前年同期比63.0%増収、同240.6%増益。原材料価格の上昇などで粗利益率が同0.2pt低下の12.4%。ただ、21年通期の11.2%から改善。好調な新エネ車販売(同423.0%増)が業績に寄与した

◆22年1~4月の新車販売は前年同期比166.0%増と好調(市場全体は同12.1%減)。同年4月の新エネ車販売比率は100%に達した。新エネ車販売TOP10のうち同社製は6車種を数える。中国政府の自動車購入補助策は同社取り扱い車種に有利に働くとの観測も

 

(上海駐在員事務所 山藤

 

北京兆易創新科技(ギガデバイス・セミコンダクタ-)(上海A・603986/Z8945)

◆フラッシュメモリー、MCU(マイコン)やセンサーなどの研究開発、販売を手がける。NOR型フラッシュメモリーで世界第3位

◆21年12月期は前年比89.2%増収、165.3%増益。22年1~3月期の売上高は前年同期比39.0%増、純利益は同127.6%増と好調が続いている

◆自社ブランドDRAMは21年6月に量産体制に入り、22年に急拡大する見通し。コネクテッド・電動化・自動化を背景に、車載半導体の市場規模は大きく拡大すると見込まれている。同社は、車載用NOR FlashとNAND Flashの量産体制を整えているほか、車載用MCUも22年に量産を開始する計画。また、中国政府の半導体産業育成方針も追い風か

 

(東洋証券亜州有限公司 キョウ

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