3日の香港株式市場は反発した。ハンセン指数の終値は前日比123.42pt(0.55%)高の22,467.34ptだった。ウクライナを巡る地政学的リスクや米金融政策の正常化に対する懸念が和らぎ、投資家心理を上向かせた。前日の米株高も相場の支えとなった。一方、取引時間中に発表になった2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から低下。買いの手を鈍らせ、指数は上げ幅を縮める場面もあった。中国当局が燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を引き上げるのを手掛かりに、中国本土の空運株が買われた。半面、業績悪化への警戒から中国ニット衣料の申洲国際集団控股(シェンヂョウ・インターナショナル・グループ、02313)が8%安で終えた。比亜迪(BYD、01211)など自動車株に売りも出た。中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)などハイテク株が安い。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は続落し、同1.15%安だった。最安値を2日連続で更新し、心理的な節目の5,000ptを下回った。香港メーンボードの売買代金は1156億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで3億4700万香港ドルの買い越しだった。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比96ドル69セント(0.3%)安の33,794ドル66セントで終えた。航空機のボーイングが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった。ウクライナ情勢を巡る先行き不透明感から、様子見姿勢の投資家も多く、積極的な売買は限られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比214.075pt(1.6%)安の13,537.941ptで終えた。
4日の香港株式市場でハンセン指数は軟調な展開か。米国株式市場が反落した流れを受け、売りが先行しそうだ。香港における新型コロナ新規感染拡大への懸念やウクライナ情勢への警戒は根強く市場全体の重荷となろう。
(マーケット支援部 林)
確りの展開か
3日の中国・上海株式市場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比3.0791pt(0.08%)安の3,481.1125ptだった。朝方は海外からの資金流入期待などを手がかりに買いが先行した。だが午前発表の2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.2と前月から1.2pt低下し、足元の中国消費の弱さが意識された。ハイテク株もさえず、指数は午後に下げに転じた。時価総額の大きな酒造の貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)が軟調に推移し、投資家心理を冷やした。電気自動車(EV)を含む自動車株や、新エネルギー関連、メディア関連といったハイテク株が売られた。一方、5日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開幕を前に、政策期待が下値を支えた。止まらぬ原油高などを背景に資源・素材株が軒並み高となり、金融株や不動産株も買われ、対ロシア貿易を手がける銘柄は急伸した。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆101億元と、節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億3100万元の売り越しだった。個別では、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが売り越しとなった。
4日の中国本土市場は確りの展開か。中国の全人代が明日(3/5)に開幕する予定。大会での提案に関わるセクターや銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 林)