2日の香港株式市場は反落した。ハンセン指数の終値は前日比417.79pt(1.83%)安の22,343.92ptと、昨年来安値を更新した。対ロシア制裁による世界経済への悪影響を懸念し、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が5日に開幕するのを控え、投資家の様子見姿勢も強かった。商いが低調な中で、指数は引けにかけて下げ幅を広げた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に反落し、同2.71%安の5,015.74ptで終えた。2020年7月の指数算出・公表開始以来の安値を更新した。金融株、不動産株が安く、マカオカジノ株も売られた。反面、好調なクラウド事業がけん引し、市場予想を上回る好決算を発表した中国ネット検索大手の百度(バイドゥ、09888)が大幅高。供給不安や商品相場の上昇などを手がかりに石油関連株や石炭、アルミなどの非鉄金属株が買われた。香港メーンボードの売買代金は1146億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで23億3500万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比596ドル40セント(1.8%)高の33,891ドル35セントで終えた。上げ幅は一時700ドルを超えた。ロシアがウクライナとの停戦協議を再開する意向を表明したとの報道を受け、地政学リスクの緩和を期待した買いが入った。今週に入り下げがきつかった景気敏感株に加え、原油高で資源関連株への買いが目立った。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は2日、地政学リスクの高まりを踏まえ3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利上げを見送り、通常の0.25%にどどめる考えを示した。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比219.557pt(1.6%)高の13,752.016ptで終えた。
本日の香港株式市場は反発か。前日の米株高を受けて投資家心理が改善し、香港株にも買いが波及しそうだ。ただ、コロナウイルスの域内感染拡大が不安視され、上値は限定的か。
(マーケット支援部 床井)
反発か
2日の中国・上海株式市場は4営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比4.6431pt(0.13%)安の3,484.1916ptだった。ウクライナへのロシアの攻撃が激化し、米欧などは対ロシアの経済制裁を強化している。中国本土市場でも幅広い銘柄にリスク回避目的の売りが出た。反面、中国当局の景気下支え策への期待は引き続き根強く、指数は午後に入り、次第に下げ幅を縮小した。酒造や保険が安く、自動車やバッテリー関連、電機、半導体も下げた。反面、石油や石炭、アルミ株が高い。金鉱株や物流の一角が上げた。ロシアとの経済協力拡大の恩恵を受けそうな対ロ貿易、フィンテック関連銘柄の物色も続いた。上海と深セン市場の売買代金は合計で8980億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億7600万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は反発か。ロシアとウクライナの停戦協議が再開される見通しとなり、地政学リスクの緩和を期待した買いが入ろう。予定では、2月の財新中国非製造業PMIが発表される。
(マーケット支援部 床井)