1日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日ぶりに小反発した。終値は前日比48.69pt(0.21%)高の22,761.71ptだった。ウクライナ情勢がいったん小康状態になるなか、香港時間1日午後の米株価指数先物が上昇し、投資家心理が改善した。ハンセン指数は昨年来安値圏にあり、自律反発を期待する買いも入りやすかった。中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)をはじめハイテク大手が買われ、香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は3日続伸し、終値は同0.73%高の5,155.69ptだった。一方、香港域内の新型コロナウイルスの感染拡大や行動制限の強化懸念も根強く、香港の不動産株や公益株はさえなかった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1149億香港ドルと2月中旬以来の低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億7900万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比597ドル65セント(1.8%)安の33,294ドル95セントで終えた。ウクライナ情勢の悪化が世界経済を冷やしかねないとの懸念が高まった。欧米の経済・金融制裁でロシアが信用危機に陥る可能性も意識され、投資家が運用リスクを回避する目的で株式から債券に資金を移す動きが広がった。相対的に安全資産とされる米国債が買われ、米長期金利は一時1.68%と同0.14%低下した。利ざや縮小の思惑から金融株が総じて下落した。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、同218.940pt(1.6%)安の13,532.459ptで終えた。
本日の香港株式市場は反落か。ロシアがウクライナへの攻撃を強めており、情勢の一段の緊迫化が投資家心理を冷やし、売り先行となろう。ただ、ハンセン指数は安値圏にあるため、一段の下値は限られよう。
(マーケット支援部 床井)
反落か
1日の中国・上海株式市場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比26.5283pt(0.76%)高の3,488.8347ptだった。同日発表の中国の2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が政府版、民間版とも前月から上昇。政府版は市場予想も上回り、景況感の改善を好感する買いが入った。酒造、銀行、保険、石炭など大型株が買われた。中国とロシアとの経済協力拡大の思惑から、対ロ貿易を手がける銘柄やフィンテック関連も前日に続いて急伸した。反面、電子部品や化学、物流が安く、石油や非鉄金属株も下げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で9690億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで32億7700万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は反落か。ウクライナ情勢への懸念から投資家のリスク回避志向が強まろう。前日まで3営業日続伸したこともあり、戻り売り圧力が強まりそうだ。
(マーケット支援部 床井)