7日の香港株式市場は小幅に3日続伸した。ハンセン指数の終値は前週末比6.26pt(0.02%)高の24,579.55ptだった。原油先物相場の上昇を手がかりに石油株が上げたほか、銀行、通信株も買われ、相場を押し上げた。指数は前日終値を下回る場面も目立った。中国本土や香港で新型コロナウイルスの感染や行動規制が拡大。中国メディアの財新などが7日発表した1月の中国の非製造業購買担当者景気指数(PMI)も前月から低下し、景気の先行き不安が根強い。米金融引き締めへの警戒も意識された。中国建設銀行(00939)や通信の中国移動(チャイナモバイル、00941)が上げ、ハンセン指数のプラス寄与度の上位を占めた。自動車や医薬株も買われた。半面、中国ネット大手の一角が売られた。電子商取引のアリババ集団(09988)は、米預託株式(ADS)の需給悪化懸念も香港上場株の重荷になった。音響部品の瑞声科技控股(AACテクノロジーズ、02018)など中国の消費関連株も下げた。香港メーンボードの売買代金は1223億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億9800万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均はほぼ横ばいとなり、前週末比1ドル39セント高の35,091ドル13セントで終えた。米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が大きく減少しており、経済活動の正常化の恩恵を受けやすい銘柄を中心に買いが入った。ただ、インフレ加速や米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感はくすぶり、積極的に上値を追う動きは乏しかった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前週末比82.339pt(0.6%)安の14,015.668ptで終えた。
8日の香港株式市場でハンセン指数は方向感の乏しい展開か。コロナ新規感染拡大の懸念や米金融引き締めへの警戒は根強く市場全体の重荷となる一方で、割安感から底堅さも意識されそうだ。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
春節(旧正月)の連休明け7日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前営業日の1月28日に比べ68.1412pt(2.02%)高の3,429.5809ptだった。香港株など連休中の海外株式市場の上昇を好感し、世界の株式相場に対する出遅れを解消しようとする買いが入った。中国政府による景気下支え策への期待も根強く、堅調に推移した。国際商品相場の上昇を背景に資源株が買われた。中国当局によるインフラ投資への積極姿勢を好感してセメント関連などインフラ株が買われ、金融株や不動産株も軒並み上げた。半面、連休前に需要拡大期待から買われていた時価総額上位の酒造の貴州茅台酒(600519)が売られた。ホテルなどの観光株が安く、メディア関連が下げた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は8231億元と、節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで55億5300万元の買い越しだった。個別では、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、牧原食品(ムーユエン・フーズ、002714)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
8日の中国本土市場はもみ合いか。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)