31日の香港株式市場でハンセン指数は反落し、終値は前週末比245.01pt安の25,177.05ptだった。朝方は前週末の米株高を手がかりに買いが先行したが、午後に入りこの日の中国・上海株をはじめアジアの他の株式相場の下落を嫌気した売りが優勢となった。指数は午後にほぼ一本調子で下げ、この日の安値で引けた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド・トレーディングは、成約ベースで48億9300万香港ドルの買い越し、8月月間では379億6343万香港ドルの買い越しとなった。
31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比223ドル82セント安の28,430ドル05セントで取引を終えた。ダウ平均は8月に入り2,000ドル超上昇しており、月内最終売買日ということもあって、利益確定の売りが優勢だったほか、足元で上昇していた景気敏感株を中心に利益確定や持ち高調整の売りも出た。
本日の香港市場は個別銘柄物色中心の展開を想定。昨日の香港市場では、主要企業の中間決算発表がほぼ一巡するなか、決算で減益や不良債権比率上昇が多くみられたことが嫌気され銀行株が売られる展開となった。一方で、米国上場企業の香港市場重複上場観測を材料に香港取引所(00388)が買われたほか、「科創板」への重複上場計画を材料に吉利汽車HD(00175)が買われるなど、材料性のある個別株物色は活発となった。全体相場が動きづらい展開が予想される中、本日もその流れが続くと思われる。経済指標では、日本時間10:45に8月財新中国製造業PMIが発表される予定。市場予想は52.5と前月(52.8)からの低下が見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
上値の重い展開か。海外投資家の売買動向がポイントに
31日の中国本土株式市場は3営業日ぶりに小反落。上海総合指数の終値は前週末比8.1291pt安の3,395.6775pt、深セン成分指数の終値は同93.096pt安の13,758.227ptだった。香港株の上げ幅縮小を受け、午後に売りが優勢となった。ストックコネクト取引を通じた海外投資家による売りも相場の重荷だった。ただ、8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が6カ月連続で景気判断の節目となる50を上回るなど、景気や企業業績の回復期待は根強く、相場の下値は限られた。上海と深センの売買代金は1兆300億元と、前週末比で1割弱増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで80億2600万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、京東方科技(000725)、順豊HD(002352)、伊利実業集団(600887)、貴州茅台酒(600519)、興業銀行(601166)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は上値の重い展開か。ストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買動向がポイントとなりそうだ。海外投資家は8月月間で20億2853万元の売り越しとなった。月間ベースでの売り越しは、海外資金を中心にリスク回避の動きが強まり大幅安となった3月以来であることから、今後の動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)