28日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比140.91pt高の25,422.06ptだった。米連邦準備理事会(FRB)が27日にゼロ金利政策の長期化に向けた新たな政策指針を決め、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。アジア保険のAIAなど金融株を中心に買いが入った。日本時間28日14時過ぎに「安倍晋三首相が辞任する意向を固めた」と伝わると、東京株式市場で日経平均株価が急落し、香港市場にも売りが波及し、ハンセン指数は上げ幅を縮める場面があった。ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は3日続伸し、前日比0.53%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで42億6500万香港ドルの買い越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比161ドル60セント高の28,653ドル87セントで取引を終えた。FRBのゼロ金利政策の長期化を背景に、株式市場への資金流入が続くとの思惑から半導体など景気敏感株を中心に買いが入った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比70.30pt高の11,695.63ptで終え、過去最高値を更新。S&P500種株価指数は7日続伸し、同23.46pt高の3,508.01ptと過去最高値を更新した。
今週の香港市場は、方向感を探る展開か。決算発表も一巡することから、外部環境や経済指標の内容等に左右されやすい地合いとなりそうだ。外部環境については、FRBによる金融緩和が長期化するとの見方から、米株式市場が堅調な動きとなる公算が大きいことから、香港市場にとっても下支え要因となろう。経済指標では、8月の購買担当者指数(PMI)の発表が予定されている。洪水の影響で下振れの可能性あることは想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。人民元高や企業業績の改善が株価の下支えとなりそうだ
28日の中国本土株式市場は続伸。上海総合指数の終値は前日比53.6938pt高の3,403.8066ptと、19日以来約1週間半ぶりに心理的な節目の3,400pt台を回復、深セン成分指数の終値は同316.233pt高の13,851.323ptだった。中長期的な相場先高観が根強く、好業績の継続が期待できる銘柄を物色する動きが優勢となった。酒造株など食品株に買いが入り、指数は午後に一段高となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで64億4300万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
今週の中国本土市場は確りの展開か。米中貿易ハイレベル協議が8/24に開催され、米国が貿易合意に基づく中国の輸入拡大を一定評価したもよう。一方で、米国の偵察機による中国飛行禁止区域への侵入、中国による南シナ海へのミサイル発射、南シナ海での中国軍事基地建設に関わる中国24社に対する米制裁等、軍事面での摩擦が続いている。ただ、このような状況でも人民元は米中金利差を背景に上昇を続けているほか、1-6月の中国の企業業績は電子部品関連企業等を中心に好決算となっており、これらが中国株式市場の支えとなっているようだ。また、米国の制裁については個別企業にとどまっていることもあり、中国経済や金融市場への影響は限定的といえよう。人民元高や企業業績の改善が株価の下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)