1日の香港株式市場は小幅反発。ハンセン指数の終値は前日比7.80pt高の25,184.85ptだった。1日発表の8月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から0.3pt改善の53.1と、9年7カ月ぶりの高水準となり、中国景気の回復期待やハイテク株への買いが相場を支えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで29億5400万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比215ドル61セント高の28,645ドル66セントと、取引終了にかけ買いの勢いは強まり、この日の高値圏で終えた。新たな会員サービスを発表した小売最大手ウォルマートが大幅に上昇し、指数を押し上げたほか、アップルなど大型ハイテク株の一角も上昇が目立ち、米経済指標の改善も投資家心理を上向かせた。
本日の香港市場は堅調な展開を想定。好材料の出た個別銘柄の循環物色が続く流れとなりそうだ。昨日の香港市場では、日本で次世代通信規格「5G」対応のスマートフォンを発売すると発表した小米集団(01810)が前日比8.93%高となり連日で上場来高値を更新したほか、証券会社のレーティング引き上げを受けたBYD(01211)が同13.83%高となるなど、好材料に素直に反応する動きが目立った。本日もアップルが「5G」対応スマホ「iPhone」について、「少なくとも7500万台以上は生産するよう部品メーカーに依頼した」と伝わっているほか、米通商代表部(USTR)が、スマートウオッチなど対中追加関税リストの適用除外品目の一部について、除外措置を延長すると発表したと伝わっている。関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。人民元高は株式市場の追い風に
1日の中国本土株式市場は反発。上海総合指数の終値は前日比14.9293pt高の3,410.6068pt、深セン成分指数の終値は同91.430pt高の13,849.657ptだった。上海総合指数は節目の3,400ptを上回り、この日の高値で終えた。財新の8月中国製造業PMIが9年7カ月ぶりの高水準だったことに加え、主要証券会社が9月の中国本土市場への資金流入見通しを示し、投資家心理の支えとなった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで3億元の売り越し。個別では、ラックスシェア(002475)、京東方科技(000725)、格力電器(000651)、順豊HD(002352)、歌爾(002241)、伊利実業集団(600887)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開か。対米ドルで人民元高が進んでいる。背景には米中間の金利差があると思われるが、中国政府はコロナ禍後に内需の刺激など国内循環を主とした経済方針に転換しており、むしろ海外から資金を呼び込むことで総合的な景気回復を図るものと考えられることから、足もとの人民元高環境はプラス面の方が大きいと捉えられよう。株式市場にとっても追い風となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)