27日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前日比210.64pt安の25,281.15ptだった。南シナ海を巡る米中の対立が深まり、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。香港情勢を巡り、ポンペオ米国務長官からの非難を受けた英金融HSBCが下げ、指数を押し下げた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を控え、米金融政策を見極めたいとの様子見姿勢から、持ち高整理の売りも出た。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで42億5600万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比160ドル35セント高の28,492ドル27セントと約半年ぶりの高値で終えた。FRBが物価上昇率の目標の2%を一時的に超えるのを容認する新たな政策指針を発表し、長期的な低金利政策が見込まれ、米株式市場に資金流入が続くとの見方から買いが膨らんだ。
本日の香港市場でハンセン指数は反発か。FRBが新しい政策指針を決めたことを受けゼロ金利政策の長期化が意識され、米ダウ工業株30種平均が上昇した流れを引き継ごう。昨日は、ハンセン指数は下落したものの、中国のハイテク銘柄で構成されるハンセンテック指数は3.6%高と大幅高となった。ハンセンテック指数構成銘柄については、決算内容等を手掛かりに循環物色されている印象もある。本日もその流れが続けば底堅い動きが期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)
こじっかりの展開か。今後も海外からの投資資金流入期待は続きそう
27日の中国本土株式市場は反発。上海総合指数の終値は前日比20.3740pt高の3,350.1128pt、深セン成分指数の終値は同106.691pt高の13,535.09ptだった。前日売られた新興ハイテク株などに値ごろ感からの買いが入り、相場の支えとなった。上海総合指数は朝方に0.5%安まで下げる場面もあったが、大引けにかけて次第に買いが優勢となった。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は、大幅に3日ぶりに反発し2.47%高、深センの新興企業向け市場の「創業板」指数も反発し1.70%高で取引を終え、新興市場への資金流入が投資家心理を上向かせた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで10億500万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、分衆伝媒(002027)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、順豊HD(002352)、歌爾(002241)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、中国中免(601888)、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はこじっかりの展開か。中国国家統計局が27日に発表した20年1-7月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比8.1%減の3兆1022億9000万元となり、減益幅は1-6月の12.8%から4.7ポイント縮小。7月単月の税引き前利益は前年同月比19.6%増の5895億1000万元と、3カ月連続でプラス成長となり、伸び率は前月の11.5%から8.1ポイント加速した。企業業績の改善が続いている内容となっており、投資家心理の支えとなりそうだ。米資産運用大手バンガード・グループは26日、中国・香港と日本市場向け投資商品の販売事業から撤退することを明らかにした一方で、成長の見込める中国本土市場に経営資源を振り向けると発表した。米ブラックロックなど外資大手も本土での事業拡大を狙っていると伝わっており、今後も海外からの投資資金流入期待は続くこととなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)