26日の香港株式市場でハンセン指数は小反発。終値は前日比5.57pt高の25,491.79ptだった。中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団傘下の金融会社アント・グループの上場申請を受け、投資資金の流入に伴う中長期的な相場先高観が強まったほか、企業の決算発表の集中期に当たるため業績を手がかりとした買いも入り、相場を支えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで12億9900万香港ドルの買い越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日比83ドル48セント高の28,331ドル92セントと半年ぶりの高値で終えた。主力ハイテク株が軒並み買われ、相場を押し上げた。コロナワクチン開発を巡る好材料も市場心理を支えた。ただ、27日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え、内容を見極めたい投資家も多くダウ平均の上値は限られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比198.59pt高の11,665.06ptと過去最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も5日続伸し、前日比35.11pt高の3,478.73ptと過去最高値で終えた。
本日の香港市場はこう着感の強い展開か。米国市場が堅調だった流れを受け、買い先行のスタートが予想されるも、27日のパウエルFRB議長講演を控え、内容を確認したいとする思惑から、積極的にポジションを取りに行く動きは限定されよう。また、米国による南シナ海の軍事拠点建設に関わった中国企業への制裁が報じられており、米中対立を巡る動きも様子見ムードにつながる要因となろう。企業の決算内容を手掛かりとした個別銘柄物色中心の展開を想定する。
(マーケット支援部 井上)
手掛かり材料に乏しく、方向感に乏しい展開を想定
26日の中国本土株式市場は軟調な展開。上海総合指数の終値は前日比43.8393pt安の3,329.7388pt、深セン成分指数の終値は同241.007pt安の13,428.399ptとなり、上海総合指数は13日以来約2週間ぶりの安値となった。相場全体を動かすような材料に乏しいなか、上値の重さを意識した売りが優勢となった。政策期待で大きく上昇していた半導体などのハイテク関連を中心に幅広い銘柄が売られ、ハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は大幅に続落し前日比3.10%安の1383.305pt、ベンチャー企業向け市場「創業板」指数は同2.12%安の2644.144ptで取引を終了した。上海と深センの売買代金は9700億元と、最近では低い水準となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億7700万元の売り越し。個別では、歌爾(002241)、伊利実業集団(600887)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は方向感に乏しい展開を想定。昨日は、序盤は前日終値を挟んだ一進一退の展開だったが、上値の重さが意識されると下向きに転じ、じりじりと下げ幅を拡大する展開となった。相場全体を動かす目新しい材料に乏しい中、次第に利益確定売りが優勢となり、半導体などハイテク株の急落も投資家心理を悪化させたよう。本日も企業決算以外の手掛かり材料に乏しいことから、市場のムードに左右されやすい展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)