【4月回顧】ハンセンテック指数は下落基調
欧米の金融不安への警戒感は和らいだものの、米国との金利差拡大による資金流出などが重しとなり、香港市場はテック株を中心に売り優勢。大手テック30銘柄で構成されるハンセンテック指数は下落基調が続いた。商い低調の中、サウスバウンド経由の中国マネーの流入は引き続き相場を下支えした(21日時点、4月の買越額は約267億HKD)。
個別銘柄では、安踏体育用品(02020)は増資計画発表後に急落した。一方、3月のマカオカジノ収入が急増したことを受け、銀河娯楽集団(00027)などマカオカジノ銘柄は軒並み上昇した。
【5月見通し】逆風下でも底堅い展開を想定
予想レンジ ハンセン指数:18,500~21,800pt
5月の香港市場は、逆風下でも底堅い展開か。
米国経済の景気後退懸念や米金融当局の利上げ継続姿勢などは相場の重荷となろう。2~3日に開催予定のFOMCでは0.25%の利上げ実施が予想されているため、引き続き香港市場からの資金流出が警戒されよう。米バイデン政権は、主要7カ国(G7)首脳会議の前に対中投資抑制策を発表する計画だと報じられており、米中対立の激化にも注意しよう。
中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)は11日、テンセント(00700)は17日に1Q決算発表を予定。
1日は労働節、26日は仏誕節で休場。12日にハンセン指数構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(4/21記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
【4月回顧】上海は9カ月半ぶり高値、大商い継続
4月の中国市場は出入りの激しい展開となった。上海総合指数は18日に約9カ月半ぶりの高値となる3,396ptまで上昇。ただ、その後は利益確定売りに押された。深セン成分指数は一時12,000ptをうかがう展開も、その後失速。1日当たり売買代金(上海+深セン)は21日まで14営業日連続で1兆元超と流動性は潤沢だ。半導体製造装置の北方華創科技集団(002371)が21日、1年4カ月ぶりの高値(358.03元)を付けた。23年1~3月期で最大200.3%増益見通しとの発表が好感された。AIの科大訊飛(002230)は4日に上場来高値となる70.10元まで上昇した。
【5月見通し】もみ合い予想、米国の新規制が変数
- 予想レンジ
- 上海総合指数:3,150~3,450pt
深セン成分指数:10,500~12,500pt
5月の中国市場で、各指数は現水準でのもみ合いをこなしながら、上海総合指数は3,400pt、深セン成分指数は12,000ptを目指す値動きとなりそうだ。一方、米国の新たな対中投資規制が公表されれば、ハイテク関連株を中心に売りが膨らむ可能性が高い。
労働節連休に関連して消費・旅行セクターに注目したい。海南島の免税店が賑わえば中国旅遊集団中免(601888)の後押し材料になろう。4月末で上場企業の23年1~3月期決算が出揃うため、好業績セクターを中心とした物色も膨らむと見られる。
1~3日は労働節関連の祝日で休場となる。
(4/21記:上海駐在員事務所 山藤)