香港市場
【3月回顧】中国マネーの流入加速は相場の下支え
米銀の相次ぐ経営破綻やUBSによるクレディ・スイスの救済買収など欧米の金融不安を受け、ハンセン指数は20日に約3カ月半ぶりの安値を付けた。その後は割安感が意識されたことに加え、主要銘柄の好決算も好感され、買戻しが優勢となった。サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の中国マネーの買越額は2月の約82億HKDから約542億HKDに膨らみ(24日時点)、相場を下支えした。
個別銘柄では、テンセント(00700)は好決算発表を受け買われた一方、李寧(02331)は市場予想を下回る決算発表で失望売りを浴びた。
【4月見通し】方向感に乏しい展開か
4月の香港市場は、方向感の乏しい展開になるか。
欧米金融当局の迅速な対応により、金融不安はひとまず後退したものの、払しょくまでには至らず、投資家の金融不安への根強い警戒感は引き続き相場の重しとなろう。米中関係の動向にも注目。台湾の蔡英文総統が4月初頭に米国へ立ち寄り、マッカーシー下院議長と会談する計画が報じられている。
一方、経済活動の正常化は一段と進む見通し。18日発表予定の主要経済指標は中国景気の回復基調が強まることが示唆されれば、好材料視されよう。
5日は清明節、7日は聖金曜日、10日はイースターマンデーで休場となる。
(3/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【3月回顧】上海は8カ月ぶり高値も後半伸び悩み
3月の中国市場で各指数は一進一退の展開となった。上海総合指数は買い優勢でスタートし、3日に約8カ月ぶり高値となる3,328ptまで上昇。ただ、欧米の金融システム不安に対する懸念が膨らみ、後半にかけて伸び悩んだ。深セン成分指数は11,500ptを挟んでもみ合う展開が続いた。中国人民銀行が17日、預金準備率の0.25%引き下げを発表(27日実施)し、金融緩和ムードが高まったことは相場の下支え材料となった。月初から24日までのストックコネクト経由の買越額は250億元。2月の93億元を上回り、海外勢の資金流入ペースが加速している。
【4月見通し】上値目指す展開へ、自動車株に注目
4月の中国市場で各指数は値固めから上値を目指す展開になりそう。買いの動きが強まれば、上海総合指数は3,400pt、深セン成分指数は13,000ptを目指す展開も考えられる。中国の1~3月期統計(19日発表)で景気回復感が示されれば外資がポジティブに反応しそうで、相場の下支え材料になりそう。
上海モーターショーが18日開幕予定で、自動車関連株に注目したい。BYD(002594)は新型EV「海鴎(カモメ)」を発表・販売予定だ。5月の労働節連休を前に上海国際機場(600009)なども賑わいそう。
5日は清明節関連の祝日で休場となる。
(3/24記:上海駐在員事務所 山藤)