香港市場
【5月回顧】月前半はもみ合い、後半は下落基調
前半は狭いレンジ内でのもみ合いに終始した。後半は、米ドル高・人民元安の進行や米債務上限問題などが嫌気され、下落基調となった。ハンセン指数は25日に19,000ptを割り込み、約半年ぶりの安値を付けた。サウスバウンド経由の中国マネーは、下落局面で積極的な押し目買いを行い(25日時点の買い越し額は約233億HKD)、相場を下支えした。
個別銘柄では、市場予想を上回る決算が好感され、快手科技(01024)は買われた。新興EVメーカーで、好決算の理想汽車(02015)が上昇した一方、業績が悪化した小鵬汽車(09868)は大きく下落。
【6月見通し】調整局面は押し目買いの好機か
6月の香港市場は、手掛かり材料が乏しい中、積極的な売買は手控えられそうだ。
米債務上限問題の行方は相場の波乱要因になる可能性がある。13~14日に開催予定の米FOMCも注目材料。米利上げは5月で打ち止めとの予想が優勢だったが、足元利上げ継続の観測は強まっている。中国の経済指標や政策にも目が離せない。中国景気回復の足取りは鈍い。新型コロナ感染再拡大への警戒感も強まっている。香港株の本格的な反転上昇には少し時間がかかりそうだが、調整局面があれば、割安感が強まり、押し目買いの好機と捉えたい。
22日は端午節で休場となる。
(5/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【5月回顧】上海は4カ月ぶり安値、流動性低下
5月の中国市場は下旬にかけて大幅下落。25日に、上海総合指数は約4カ月ぶり安値の3,168pt、深セン成分指数は約5カ月ぶり安値の10,798ptまで売られた。対米ドルでの元安基調(約半年ぶりの安値水準)やG7サミットを経ての対中包囲網の強まりなどが相場の足かせとなった。景気減速懸念が強まる中、海外投資資金の流出も目立った。ストックコネクトの売越額は104億元(5/26まで)で、4月の45億元を大幅に上回っている。1日当たり売買代金(上海+深セン)が8000億元を割る日も多く、連日1兆元超だった4月と比べて流動性が細った。
【6月見通し】神経質な展開、アップル関連に注目
6月の中国市場で各指数は神経質な展開となりそう。新型コロナの感染再拡大が変数だが、直近の下落で相場に織り込み済みとも見られる。上海総合指数は3,150pt、深セン成分指数は10,000pt近辺で下げ渋り、下値は限定的だろう。5日にアップルの世界開発者会議が開催予定。新製品のMR型端末が発表されれば、OEMメーカーの立訊精密工業(002475)などが注目されよう。端午節連休(6/22~24)や夏季は旅行業界の書き入れ時だが、コロナの感染状況次第で外出控えムードが出る可能性もあり、消費関連株はやや荒い値動きを予想する。
(5/26記:上海駐在員事務所 山藤)