中国からの便り
第2回:現地の情報発信に注力、上海駐在員事務所より
東洋証券株式会社上海駐在員事務所は、2007年9月の設立申請から2008年3月末のCSRC(中国証券監督管理委員会)による設立許可まで、設置プロセスに約半年かかりました。通常1年以上かかると言われているので、これでも相当早い方だと思われますが、これもひとえに中国株のお取引を頂いているお客さまのお蔭と思っています。
事務所として正式のスタートを切ったのは開所式が行われた2008年5月22日。開所式の日時はその3カ月前から決められていたのですが、それを前にして二つの試練が待っていたとは社内関係者の誰もが想定できませんでした。
まず、5月初め頃に完了する予定だった工商登記(会社設立登記のような行政手続き)がちょうど開所式予定日その日にずれ込んでしまい、見切り発車になるのかと冷や汗をかきながらのパーティー会場セットでした。
また、開所式直前に四川大地震の死者を哀悼するため、政府の呼びかけにより娯楽番組の放送やパーティー類の集会活動を自粛する期間が設けられ(5月19日〜21日の3日間)、準備に2カ月もかかった開所式そのものが危うくキャンセルされそうになったのも全くの想定外でした。
その後、お蔭さまで事務所の諸業務も徐々に軌道に乗ってきて、2009年末より現在の4人体制となりました。事務所の主たる業務内容は、(1)中国経済・産業・企業調査、(2)各種業務企画・支援活動、(3)事務所自体の運営(コンプラ含む)の3つです。事務所に関する規制上、会社に収入をもたらす営業活動は一切できないため、工商登記上の業務範囲は「市場調査・事務連絡」に限定されています。こうした事務所の業務内容に関しては、これまで「事務所は最近儲かっているか」と聞かれたり、現地の個人投資家さんが口座開設に訪れたりもしたように、誤解が生じたこともしばしばありました。
そのようなわけで、事務所設立からわずか2年ですが、その間に2008年四川大地震、北京オリンピック、世界的な金融危機と、身近に感じる大きな出来事がいくつもありました。私達が生活の根拠を置いている上海では、実感としては今年の万博以上に、2009年から本格化した同市史上最大規模のインフラ建設が印象的でした。
大規模なインフラ建設の結果、例えば今年に入り毎週必ずといってもよいほど、地下鉄の新規路線又は延長区間の開業ニュースが新聞紙面に出ています。また、国内線中心の虹橋空港では今年3月中旬から巨大な第2ターミナルが供用開始したほか、その隣に4本以上の地下鉄に乗り換え可能な新上海駅(北京・上海間高速鉄道及び周辺主要都市間特急列車駅)がこれから建設される予定です。
最後に、万博の交通との関連で身近な感想を2点ほど述べることとしましょう。
(1)地下鉄:万博期間中、元々利用者が多く、改札口に入る前に手荷物を安全チェックの機械の中を通すというステップが追加されたため、ホームに入るために長い行列ができるのが辛いです。
(2)航空便:上海発着の国内線ではディスカウントチケットは入手困難な状況となっています。北京オリンピックの時と違って、航空会社が着実に「万博関連」の恩恵を受けているようですが、利用者にとっては懐の痛いところです。
(東洋証券株式会社 上海駐在員事務所 首席代表 張岫)
平成22年7月14日
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