利下げ観測が高まる中、サマーラリーに期待
6/30~7/4の米国株式市場は、上値を試す展開の継続を想定。7/3の株式市場は短縮取引、7/4は独立記念日で休場。政府与党は7/4までに減税政策を盛り込んだ法案の成立を目指していることに加え、金融政策の判断材料となる経済統計の発表が相次ぐため、休場前後は価格変動が大きくなる場面も想定される。
6/24にS&P500、ナスダック総合は2月中旬以来の高値を付けた。イスラエルとイランの停戦合意に伴い原油高騰によるインフレ懸念が後退し、米10年債利回りが低下したことで投資家心理の改善につながったとみられる。また、FRBによる利下げ観測の高まりも相場を支える要因となっている。7月の第1週は、6月のISM製造業・非製造業景況感指数や雇用統計等の発表に注目が集まろう。景況感の悪化や失業率の上昇が見受けられれば、利下げ再開の可能性が市場で一段と高まるとみる。
例年であれば、サマーラリー(米国の株式市場で夏場に株価が上昇しやすいアノマリー)が意識される時期か。投資家が長期休暇に入る前にボーナス等で投資することが主因とされる。実際、2000~24年のS&P500月別平均騰落率(前月末比)をみると7月のパフォーマンスは良好だ。今年の7月は、トランプ関税の見直し期限が迫っていることや地政学的リスクの高まり、経済の減速懸念等、先行き不透明な要素も多いが、月の半ばから本格化する企業の決算発表を通じて、底堅い企業業績が確認されれば最高値更新も視野に入ろう。
(6/25記 投資情報部 岩井)