メモリー価格の上昇転換は半導体株の追い風になるか
6/23~27の米国株式市場は、上値を試す展開を想定。
足もと、S&P500は心理的節目の6,000ptを挟んで一進一退の動きを見せている。イスラエル・イラン紛争継続のなか、株価指数は下落する場面もあったが、地政学的な要因が株式市場に持続的な影響を与えるのは、それが経済成長の鈍化やインフレ押し上げといった実体経済に影響を与えた場合が多く、更なる株価への影響は限定的になると見る。
6/17~18に開催されたFOMCは政策金利の据え置きが決定。同時に公表された経済見通しでは従前の年内0.25%×2回の利下げ見通しが維持されたが、年内の利下げ回数を「なし」とした参加者の数が7人と3月時点の4人から増加し、ややタカ派的な内容だった。また、今年の経済成長見通しを引き下げた一方、失業率とインフレの見通しを引き上げた。成長率見通しの鈍化を受け、年内利下げ回数を維持したと見られるが、インフレ見通しの上昇(パウエルFRB議長は米政府による関税の引き上げが時間差で消費者に転嫁されると指摘)は将来的に利下げ回数の減少に繋がると考えられるため、今後発表される経済統計に留意する必要があろう。
半導体メモリーの一つ、DRAMの指標品の4月大口取引価格は11カ月ぶりに上昇に転じた。メモリーの世界大手が今年中に指標品を含む品種の生産を終了・縮小すると見られることが値上がりに繋がったようで、四半期ベースでも4~6月期のDRAM価格は前四半期比で上昇するとの見方がある。6/25にメモリー大手マイクロン テクノロジー(MU)が決算発表を予定しており、同社が明るい先行きを示せれば、目先の半導体株に追い風となろう。
(6/19朝記 投資情報部 岩井)