割高感漂う米国株、エヌビディアの決算に注目
5/26~30の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。5/26はメモリアル・デーのため休場。
5/16、格付け会社ムーディーズは米国の国債格付けを最上位のAaaからAa1に引き下げた。米中関税引き下げ合意によってリスクオフの修正が行われていたところに水を差す格好となったが、5/19のS&P500は終値ベースで2月下旬以来の高値で終えた。他の格付け会社は既に米国債を最上位から格下げをしていたため、影響は限られたと思われる。
もっとも、米議会では大型減税策の協議中で、政府債務の拡大から財政悪化が意識されやすい状況が続こう。米10年国債利回りは一時4.60%をつけ約3カ月ぶりの水準となっており、債券利回りと比較した株価の割高感には留意したい。特に高PER銘柄には慎重な姿勢が求められよう。
5月最終週には、画像処理半導体大手エヌビディア(NVDA)の決算発表(5/28予定)が控える。4月には中国向けに設計したAI半導体「H20」が政府による輸出規制の対象になり、25年2~4月期に最大55億ドルの費用計上を発表するなどの悪材料があったが、足もとでは、中東でのAI投資拡大等を背景に株価は堅調に推移している。また、米国半導体工業会(SIA)は5/5、25年3月の世界半導体売上高が前年同月比18.8%増の558.9億ドルとなり、同期間内の過去最高を更新したと発表。前月比でも1.7%増となり世界的な半導体需要は依然として高いようだ。エヌビディアの決算発表を経て半導体株相場に一段の弾みがつくことに期待したい。
(5/22朝記 投資情報部 岩井)