生産増加が見込まれる半導体関連銘柄に注目したい
5/20~24の米国株式市場は、確りの展開を想定。
5/15に主要3指数はそろって取引時間中と終値の最高値を更新した。注目された米4月CPIが予想を下回る伸びにとどまり、米4月小売売上高も前月比横ばいと、インフレの鈍化を示す発表が相次ぎ、FRBによる利下げ期待が高まったことが要因とみられる。また、企業の決算も良好で、S&P500構成銘柄の内459社が決算発表を終え、77%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、5/10時点)を上回った。S&P500(除エネルギー)の増益率は10.5%(同)となっており、好調な企業業績は今後も株価の下支えになると見る。
SIA(米半導体工業会)とボストン・コンサルティング・グループによるレポートによると、今後数年で半導体サプライチェーンの回復力が大幅に向上すると予測され、米国の工場生産能力は2032年までに3倍となる見通しを示している。また、世界の工場生産能力に占める米国のシェアは数十年で初めて拡大し、現在の10%から14%に増加が予想されており、半導体関連銘柄の成長は今後も期待できそうだ。
5/22にエヌビディア(NVDA)が決算発表を予定。生成AIを動かす半導体で高いシェアを持つとされ、S&P500構成銘柄の内、年初から4月末までの期間の値上がり率トップだっただけに投資家の関心を集めよう。主力のデータセンター部門の伸びや高い粗利益率の維持ができるかが焦点になると見ており、決算内容と市場予想との乖離の幅や決算説明会での経営陣のコメントに注目したい。
(5/16朝記 投資情報部 岩井)