インフレ圧力の強まりが意識され上値の重い展開か
4/22~26の米国株式市場は、引き続き決算内容を手掛かりとした個別物色が広がる展開を予想する。
前週末(4/8~12)は、中東情勢の緊迫化等によりリスクオフの展開となった。今年に入ってから原油価格の上昇基調が続いていることやミシガン大学が4/12に発表した4月の消費者調査の1年後の予想インフレ率は3.1%と3月(2.9%)から上昇が確認されたことで、米国ではインフレ圧力の強まりが意識されているようだ。FRBによる利下げ観測は後退、VIX指数(シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数)は市場の懸念が高まったとされる20に迫る場面もあり、投資家の警戒姿勢は強まっている。
4月の第4週は、マイクロソフト(MSFT)等の大手IT企業の決算発表が予定されており、注目が集まりそう。LSEGは、24年1~3月期のS&P500構成銘柄のEPSは3.1%増(前年同期比、4/12時点)と予想しており、その中でも20.9%増(同)を見込むテクノロジーセクターは引き続き株価上昇のけん引役になると見る。
経済指標では4/26発表予定のFRBが政策判断で重視するPCEコアデフレーターに注目か。4/15に発表された3月小売売上高は前月比0.7%増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回り、インフレの鎮静化には時間がかかるとの見方が広がっていることからも発表前後は神経質な展開となりそうだ。他にも、4/23に3月新築住宅販売件数、4/25に1~3月期の実質GDP(速報値)の発表が控える。
(4/17記 投資情報部 岩井)