不安定な値動き継続か
9/6~9/9の米国株式市場は不安定な値動きが継続か。投機筋の先物のネットポジションがショート気味で買い戻し需要が相場を下支えも、タカ派な金融引締めの方針が示されたことで、株式市場の上値は重くなりそうだ。
8/26のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が家計やビジネスに「痛み」を与えるとインフレ対策の代償を率直に表現したことで、株式市場が動揺したと思われる。具体的な内容は7月のFOMC後の会見を踏襲するものも多く、真新しくはないが、市場の過剰なハト派期待を牽制したものと思われる。9/8にパウエル議長の発言が予定されるが、ミネアポリス連銀総裁の株価下落を喜んでいるとの発言もあることから、軟調な株価の推移を牽制する可能性は低いと思われる。
もっとも投機筋のS&P500 e-miniのネットポジションは大きくショートに傾き(8/23時点)2020年の5月や6月に見られた水準に近く買い戻し需要が下値を支えそうだ。ただ予想PERなどのバリュエーションは予想EPSの引き下げの可能性などを考慮すると、依然調整余地があると考えられる。
9/7のアップル(AAPL)のイベントが予定され、新作のiPhone 14の発表が予想される。マイナーチェンジに留まるとの事前の観測報道もあり、無風通過か。新作iPhoneの発表イベントが9月か10月の秋に移って以降の前後の株価の推移を見ると、発表後の株価の推移は方向感まちまちのようだ。
(8/31記 投資情報部 藤本)