利食い売りに注意が必要も、押し目買い優勢か
7/25~7/29の米国株式市場は、決算が概ね好調との評価で低バリュエーションやポジションの軽さも手伝い押し目買いが優勢か。ただ∗GAFAMの決算発表やFOMCも予定され内容次第では一旦利食い優勢となる場面もありそうだ。
S&P500の内48社が決算発表を終え、79%の企業が利益予想を上回り(7/19時点、Refinitiv集計)、想定より決算が好調との見方が出ている。∗∗米主要銀行の決算を合計値で見ると非金利部門の減収は純利息収入増である程度カバーできた印象。また税引前利益は前年比-29.43%だが∗∗∗貸倒引当金調整後の税引前利益で見ると、同-5.16%と減益率は大幅に縮小する。米主要銀行の決算は見た目ほど悪くはないと考える。
またGAFAMの決算が発表予定。GAFAMの人員計画の下方修正が報道されており、慎重な業績見通しが出てくる可能性も。この他半導体製造装置大手ラムリサーチ(LRCX)の決算も発表予定。メモリー大手のSKハイニックス等が設備投資に慎重な見方を示しており、ガイダンスなどへの影響を注視したい。内容次第では売りが出る可能性もあるが、バリュエーションの低さや投資家がリーマンショック時並みに株式のウェイトを落としたとの調査もあり下値は限定的か。
7/26~27のFOMCでは75bpの利上げを予想。6月のCPIは前年比9.1%上昇となったが、資源価格下落の反映が不十分なことや長期の期待インフレ率低下を踏まえると、100bpの利上げの可能性は低いと見る。
∗GAFAM:FのFacebookは、現在Meta Platforms
∗∗米主要銀行:シティ、バンカメ、JPモルガン、ウェルズファーゴ
∗∗∗貸倒引当金調整後の税引前利益:税引前利益+貸倒引当金(積み増しはプラス、取崩しはマイナス)、シティの場合は貸倒及び利益・請求への総引当金(AFS向け貸倒引当金除く)を使用
(7/20記 投資情報部 藤本)