利下げ期待高まるも景気動向次第か
6/24-6/28の米国株式市場は、6/28-29に大阪で開催予定の20カ国・地域(G20)首脳会談の内容を見極める展開を想定する。
FOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2.25-2.50%に据え置かれた。緩やかな利上げを示唆する「忍耐強く」の文言が削除され、経済の持続的拡大を維持するために「適切に行動する」との文言が盛り込まれた。同時に景気が悪化すれば、数カ月以内に利下げする可能性も示唆された。FRBの3年ぶりの緩和姿勢への転換は株式市場にとってポジティブ材料といえよう。ただ、米中貿易協議が前進し、雇用統計や物価指標が改善すれば、FRBが7月の利下げを見送る可能性は残るため、関連指標の動向には今後も注意が必要になる。全米経済研究所(NBER)は、今年7月には米景気拡大が過去最長になると分析している。パウエル議長も利下げ時期には言及していないため、引き続きFRBによる金融政策への思惑が投資家心理を一喜一憂させそうだ。
VIX指数は安定推移
米中貿易協議の先行きが疑問視されていたが、トランプ大統領はG20の場で米中首脳会談を行うことで中国側と合意した。今後は中国製品に対する3000億ドル相当の制裁関税の交渉内容が焦点となる。
トランプ大統領は20年の大統領選挙の出馬を表明したが、再選には、米中問題解決に向けての進展が必要だろう。足元のギャラップ社によるトランプ大統領の支持率は厳しい数値を示しているため、支持率を上げるには、貿易協議の進展が必要となるだろう。本来関税を支払う側は米輸入企業と思われるため、交渉進展は企業業績見通しの改善にもつながるだろう。
もっとも、市場は目先のイベントに対してある程度相場に織り込んでいるとも考えられる。ボラティリティ指数(VIX)の値動きを見ると、足元は比較的安定しているように見受けられる。イベント通過が株価上昇のきっかけとなることに期待したい。
(6/20記 マーケット支援部 佐藤)