関税による不確実性は残るも個別物色は活発に
6/2∼6の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定。
足もと、日経平均は37,000円台付近で一進一退の動きを見せていたが、5/28には一時38,000円台を回復し、2週間ぶりの水準に。TOPIXに関しては、昨秋から今年3月頃まで推移した2,600pt~2,800pt前後の水準まで戻しており、日経平均と比べてより堅調な推移を続けていることがうかがえる。
TOPIX-17業種別年初来騰落率を見ると、関税の影響が顕著に表れているといえる。不動産をはじめとして関税の影響を受けづらいとされるセクターの騰落率がTOPIXを上回っている一方、自動車・輸送機といった関税の影響を受けやすいとされるセクターの騰落率はTOPIXを下回る状況となっている。関税による不確実性を背景に相対的にリスクの低いセクターに資金が集まっているといえる。
個別株を見ても関税や為替をはじめとしたマクロ環境に左右されにくいテーマやセクターなどに注目が集まっている。5/26には東京証券取引所全体で年初来高値を更新した銘柄が150社を超え、その多くを中小型株が占めるなど、個別株の選別が活発化しているようだ。
6月は3月期決算会社の定時株主総会が開催される予定となっている。前哨戦とされる12月期決算会社の3月総会では機関投資家による株主提案が過去最多となっており、6月総会でもこの流れを引き継ぐと予想する。企業が資本コストや株価を意識した経営をしているか、投資家と対話する姿勢はあるか等を判断し、選別の材料としたい。
(5/28記 投資情報部 佐藤)